継続的研修で他社とも交流 大阪ケイオス(大阪)

 大阪の中小企業経営者らが出資し、2010年に設立した情報運用会社「大阪ケイオス」(大阪市中央区)も会員企業17社の社員向けに、新聞を活用した研修を15年から取り入れている。これまで「新聞の読み方」をはじめ、「文章の基礎講座」や「新聞社の仕事」などのテーマで2~3か月に1回、研修を行っている。

 

 2017年11月に大阪市内で開かれた9回目の研修には、7社から24人が参加。読売新聞大阪本社写真部で20年以上勤務した経験を持つ広報宣伝部の伊東広路カメラマンが講師を務め、「フェイク写真ができるまで」をテーマに、インターネットやSNSで拡散しやすい「偽造写真」の見抜き方などを解説した。

 

 大阪ケイオスは、普段は別々の会社で働く社員の集まりのため参加者同士で面識のない人も多い。そこで、お互いの心理的な距離をちぢめようと、この日の研修の終わりには新聞を読んで、互いに気になった記事を紹介し合う体験も。「温泉巡りが趣味で、有馬温泉の広告が目についた」「どの温泉がお勧めですか?」などと会話が盛り上がった。

 電力会社向けセラミックス製品などを作る「カワソーテクセル」の阪本旭さん(24)は、研修への参加は今回が6回目で、「多くのジャンルの中から一つを選び、自分の意見として話すのが難しかった。新聞を継続的に読んで、幅広い知識や情報をピックアップする力をさらに養いたい」と話していた。

 

 大阪ケイオス事務局の松井麻里さんは「若手社員たちに、ニュースへの関心が出てきた。新聞という身近な媒体がテーマなので、どんな世代の人でも参加しやすく、企業同士の交流も進んだ」としている。

 

【実施期間】2015年11月~/受講者約20人

(2018年2月17日 10:44)
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