世界陸上事前キャンプで通訳ボランティア~順大国際教養学部

米国チームのスタッフからの要望を通訳する学生たち

 今夏、陸上の世界選手権北京大会事前キャンプで千葉県に来日した海外選手への通訳ボランティアに、順天堂大学国際教養学部の学生たちが挑んだ。通訳ボランティアとして参加したのは、同学部1期生の学生15人。入学間もない大学1年生たちは、通訳ボランティアとして活動するために勉強会を重ねて、8月中旬から約2週間にわたる事前キャンプに臨んだ。


 

 今回の通訳ボランティアへの参加は、米国チーム、オランダ・ベルギーチームの事前キャンプが千葉県に決まったことによるもの。順天堂大学スポーツ健康科学部・さくらキャンパス(千葉県印西市)が米国チームのキャンプ地の一つとして決定したことから、スポーツ健康科学部の学生が選手のトレーニング補助などを行う一方で、国際教養学部の学生はトレーニング中だけでなく交流イベントの場面でも言語面で選手たちをサポートした。

 

勉強会で鳥飼教授(左)から指導を受ける学生たち

◆事前キャンプまで必死に勉強

 海外での留学経験があったり、高校で国際科に通学していて英語力はあっても、通訳については未経験の学生たち。国際教養学部アドバイザーでもある鳥飼玖美子特任教授は6月から学生たちに「通訳するとはどういうことか」という心構えを一から伝え、学生たちは陸上用語を使っての英日通訳シミュレーションなど実践に向けたトレーニングを勉強会で重ねてきた。事前キャンプが始まるまでは、できるだけ英語で話す時間を増やそうと努力し、「秋葉原駅周辺など外国人観光客も多い場所に出向いて、困っていそうな外国人がいれば自分から話しかけてみた」と、新保晃介さんは話す。

 

◆通訳ボランティアとして実践の場へ!

 事前キャンプが8月10日から始まると、学生たちは、さくらキャンパスと成田市中台運動公園に分かれて通訳ボランティアとしての活動を開始。競技場では、チームが日本で快適に練習できるよう、選手やコーチ、スタッフから英語で伝えられる要望を、日本語に訳して日本側スタッフへ伝えた。

オランダ・ベルギーチームとの交流イベントでも活躍した

 期間中は、千葉市内の施設で、オランダ・ベルギーチームのコーチ陣と千葉県内の中高生との交流イベントも行われ、そこでも通訳ボランティアを務めた学生たち。実技指導をするコーチと中高生の間に入り、動作も交えながらの通訳に取り組んだ。

 今回、通訳ボランティアに取り組むうえで、吉田智海さんが心がけたのは「伝わる言葉」で話すこと。「訳した英語をただ発するのではなく、相手にとって理解しやすい言葉で正しく伝えることが大切だということが改めてわかった。話すことも書くことも含めて、ちゃんと伝わる英語を、これからもっと学んでいきたい」とボランティアを終え、吉田さんは意気込んだ。

(2015年9月 2日 13:40)
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