情報処理推進機構(IPA)「ネットは善?悪?」都立農芸高

携帯電話を手にモラルの大切さを強調する奥田さん(中央)

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は6月15日、都立農芸高校(杉並区今川)で、「インターネットは善か悪か?」と題した出前授業を行った。企業・団体と学校の交流を図る読売新聞教育ネットワーク活動の一環で、1年2クラスの男女70人が、携帯電話やネットにまつわる事件を参考に心構えや対処法を学んだ。

 

 講師の奥田美幸研究員は、「今のネット世界では、知らない間に加害者や被害者になってしまうかもしれない」と強調。高校生が携帯を使用しながら自転車に乗り、歩行者にぶつかって高額の損害賠償判決を受けたり、中学生がツイッターでイタズラの書き込みをして、威力業務妨害の疑いで書類送検されたりしたケースを紹介した。

 

 一方、思わぬ被害を受けた例として、画面のボタンを押して法外な料金を求められた「ワンクリック請求」、友だちになりすました人から電子マネーの購入を持ちかけられた詐欺事件などを報告。写真撮影時に位置情報をオフにするなど、情報管理の徹底を求めるとともに、トラブル対応法を紹介したIPAなどのサイトを紹介した。

 奥田さんは「インターネットやケータイはあくまで道具。使う人、使い方次第でいいものにも悪いものにもなる」と話し、モラルの大切さを訴えた。

 

 授業を受けた女子生徒(16)は、「私もクリック詐欺にあいそうになったので、画面の消し方とかいろいろ学べて良かった」と感想を話した。男子生徒(15)も、「パスワードを設定するなど安全対策をしっかりやりたいと思った」と語った。

 

 このあと生徒は、授業で理解した内容を標語作品として表現し、IPAが主催する「ひろげよう情報モラル・セキュリティコンクール」へ応募することが決まっている。

 

(2015年6月19日 16:50)
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