本紙記者が出前授業 選挙のルールなど学ぶ

 教育面の企画「18歳の1票」を使った読売新聞記者の出前授業が2015年12月22日、東京都立第三商業高校(江東区)で行われた。来夏には有権者となる3年生約200人が、1票の意味を考えた。

 「来年夏には参院選があります。投票に行こうと思っている人は?」

 冒頭、講師を務めた読売新聞東京本社編集委員、渡辺嘉久記者(51)が呼びかけた。でも手を挙げる生徒はわずか。「行かない人は?」との質問にも挙手はまばらだった。同校の松尾繁樹主任教諭(42)によると、選挙権が「18歳以上」に引き下げられる、ということは聞いたことがあっても、自分が当事者だという実感はまだ薄かったようだ。

 渡辺記者は、選挙が身近に感じられるよう、有権者になる手続きに触れた。

 「選挙で投票するには市区町村に住民票がある必要があって、その地域の有権者になるには3か月以上住み続けなくてはならない」と現行公職選挙法の決まりを説明。「就職や進学で来年春に引っ越す場合は特に注意が必要だよ」と加えた。選挙運動もできるが期間は立候補を届け出る公告示から投票前日までに限られ、電子メールは禁止されていることも説明した。

 政治を身近に感じてもらえるよう、政策課題については「18歳の1票」の少子化編が使われた。少子高齢化の進み方、2060年には1人の高齢者を1・3人で支えることになるという予測――。渡辺記者は「どうしたら、自分たちが過ごしやすいかを考えるのが政治参加。選挙で世の中を変えられる」と語りかけた。

 「選挙は自分とは関係ない」と思っていたという女子生徒(18)は「将来、1人とちょっとで1人の高齢者を支えるって聞いて、このままじゃよくない、選挙に行かないといけないと思った」と話した。また別の女子生徒(17)は「どこの党に入れたらいいか、わからない。もっと勉強しないと」と課題を見つけた様子だった。

 松尾主任教諭は「若年層の選挙への関心の低さが問題になっているが、ただ選挙に行きなさいと言っても投票につながらない。身近で現実的なテーマの授業を通し、政治が実生活につながることに気づいてもらえた」と話した。


 渡辺記者の出前授業は11月下旬、東京都世田谷区の私立中高一貫の女子校、鴎友学園でも行われ、人口減社会の現状や将来予測が紹介された。授業を受けた女子生徒(18)は「石川県に住んでいた時に通っていた幼稚園も人口減でなくなった。授業は具体的で分かりやすかった。みんなで選挙に行って、世の中を変えていかないといけない」と感想を話した。

 読売新聞記者による主権者教育の出前授業は2016年も希望校で実施される。

(2016年1月 8日 14:38)
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