ぬまっち先生コラム59 スーパーの秘密(1)

「71人中、50人がスーパーの仕掛けにハマってました!」とグラフを使って説明する子どもたち(10月29日、世田谷小学校で)

沼田 晶弘


第59回 スーパーの秘密(1)


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♦今年も来ました「藤の実フェスタ」

 今年もやってきました「藤の実フェスタ」。4年前までは、主にPTAの交流を目的として、保護者たちが開いた模擬店を子どもたちが回るファミリーイベントでしたが、最近は、子どもたちが授業で学んだ成果を保護者や他学年にプレゼンする学習発表会になっています。子どもたちにとっても、ボクにとっても、毎年多くの人に見ていただける、貴重な発表会です。

 今年のフェスタは10月29日でした。3年3組の出し物は「知ればもっとおもしろい ~スーパーマーケット~」。社会科の授業で小売店や販売業について勉強したことを発表したわけですが、みなさん、「ぬまっちのクラスにしては普通だな」と思いましたか?

 ではボクたちの教室にどうぞ。

 

♣お客さん「あるあるポーズ」って?

 「来店したお客さん71人中、50人が何かを買っていました。円グラフにするとこうです。つまり、50人がスーパーの仕掛けにハマってしまったんです!」

 保護者相手に子どもたちが熱弁をふるっています。教室入口近くの最初のコーナーが「お客さんあるある」。子どもたちがスーパー店内で採集した、お客さんの行動観察記録です。実は3年生はまだ円グラフを習っていないので、見よう見まねですが、なかなかそれらしくできています。

 「ではここでクイズ! お客さんが売り場で一番取りがちなポーズはどれ?」

 3つのポーズを実演する子どもたち。正解は、「アゴに片手を当てて、もう片方の手をひじにあてるポーズ」。保護者の間から笑いが起きます。みなさんも無意識にやってませんか?

これが「お客さんあるあるポーズ」だ!

 「スーパーの仕掛けについては他の所で発表しています!」ということで、次のコーナーは「スーパーの宣伝について」。

 「チラシに『88円均一』とか書いてあっても、実際は95円。隅っこに小さく『税抜き』って書いてあるんです。『安い』と思ってもチラシをじっくり見ましょう。あと、『○○限り』とか『今が旬』という文句も、買う気をアップさせる巧妙な仕掛けなんです!」

 このあたりになると、保護者たちも思わず身を乗り出して聞いています。

 

♥買う側じゃなく、売る側の視点で

 3年生の社会科の教科書には「買い物調べ」という単元があります。(1)家の人が毎日何を買っているか調べよう(2)どこで買い物をしているかを調べて、地図やグラフにしよう(3)スーパーを見学して、わかったことを発表しよう――教科書通りだと、普通はこういう流れで進みます。

 でもボクはそうしません。例えばこんな話をします。

 「朝、お母さんが『今夜は野菜炒めだよ』と言っていたのに、家に帰ると急におでんが出てきたことない? あれって何でだろうね?」

 「お母さんの買い物を調べよう」では、子どものやる気は出にくいのです。自分のことじゃないから。あくまでお母さんの買い物だからです。子どもが「ん?」と思い当たるよう、うまくスイッチを押してやる必要があります。

特売チラシの「正しい情報の読み方」を大人に解説。「安さだけに目を奪われちゃダメ!」

 「スーパーって、ついつい余計なものを買っちゃうんだよね。何でだと思う? お店の人に理由を聞いても、『お客様のためを考えています』って言うに決まってる。でも何か秘密があるんじゃないかな。それを探りに行こう!」

 教科書に書いてあるのは「スーパーはどんな工夫をしているか」なんですね。あくまでお客さん視点です。「こうしているから、買いやすいんだね」。でも、ここからお店サイド、商売する側の視点に持っていくのがボクの授業です。

 さて、子どもたちはどのように「スーパーの隠された秘密」を解き明かしたでしょうか?


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(2016年12月19日 10:00)
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