ぬまっち先生コラム61 クリティカルディスカッション(1)

チョコボール、せんべい、ポッキーの写真を貼って「最強のおかしはどれだ」ディスカッション開始!(2016年12月7日、世田谷小で)

沼田 晶弘


第61回 クリティカルディスカッション(1)


<<第60回 スーパーの秘密(2) を読む

 

♦あけましておめでとうございます!

 あけましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします。ぬまっちコラムは正月も休みなしの皆勤です!(笑)

 ところで、このコラムを担当する読売新聞の人に、「第55~58回の>>教育実習編 は好反響でした。ひょっとして、先生志望の学生や、先生になりたての人が読者に多いんじゃないですか?」と言われました。なるほど、いただく質問も、そういう方からのものが多いようです。

 このコラムは前も書いたように、「いつでもルパンタイム」です。内容を先生方にどのように使っていただいても構いません。そのため、なるべく具体的にボクの授業のやり方を説明するよう心がけています。今回は、昨年12月7日の授業参観日に、国語の授業でやったことをご紹介します。テーマは「話し合いをしよう」です。

 

♣最強のおかしはどれだ!

 まず、黒板に3枚の写真を貼りました。左から、「チョコボール」「せんべい」「ポッキー」の写真です。その上に、ボクはチョークで書きました。

 

 「最強のおかしはどれだ!」

 

 子どもたちから「おおー!」という声が上がります。

 「最強って何?ってことだけど、一番好きなおかしじゃないよ。そのおかしを『武器』にして戦った場合、どれが一番強いかってこと。おいしさじゃなくて強さだからね。それぞれのおかしを支持する3チームに分かれて、クリティカルディスカッションで決めてもらいます!」

 「えー、むずかしいー」という声が上がりますが、子どもたちの目が早くも興味でキラキラしているのがわかります。食いついている証拠。

 ちなみに、このお題を考えてくれたのはクラスの男の子A君。さすが、子どもの気持ちは子どもが一番よくわかってるということでしょうか。

まずはチーム分け。強いと思うおかしに自分の名札を貼っていく

 

♥クリティカルディスカッションって何?

 さて、ボクは今、クリティカルディスカッション(CD)という言葉を使いました。あまり耳慣れない言葉だと思います。クリティカルの一番メジャーな訳し方は「批判的」ですが、それだと非難と誤解されやすいので、ボクは「分析的」とか「戦略的」と説明しています。「分析的、戦略的に討論しよう」ということですね。「ディベート」とどう違うの?と言われそうですが、ボクは最近、この二つを分けて考えています。

 ディベートとは、厳密に言うと、ある問題について賛成/反対の2チームに分かれて、相手を論破することが目的の弁論ゲームです。さまざまな学校で広く行われていますし、もちろん優れた点が多々あると思いますが、ボクのCDは、ディベートをより教育効果が高まるように改良したものです。

 CDでは、ディベートの賛成と反対のようにクラスを2チームに分けません。今回のように3チーム、あるいは4チームに分けることもあります。昨年11月6日の朝日新聞の記事で紹介されたボクの授業、「春夏秋冬で最もいい季節はどれ?」が4チームの例ですね。好きな季節ごとに分かれて討論しました。

 34人のクラスを2チームに分けると、人数が多すぎて発言しにくい子が出てきます。また、2チーム対抗戦は、勝ち負けがはっきりしてくると、子どもが途中で諦めてしまうことがあります。3チーム以上にすれば、どこか1チームが強くて抜け出した時、残りのチームは協力して追いかけることができる。あの状態からよく頑張って2位まで盛り返せたなとか、子どもたちがいろいろなポジティブポイントを見つけやすい。討論がよりゲーム的に深く、面白くなるのが3チーム以上で行うCDなんです。

 

♠卒業遠足ディベートは理想的CDでした

 ここで思い出してくださった方もいるでしょう。第24~26回>>世界一の卒業遠足 で書いた〈5代目〉6年生の「卒業遠足ルート」ディベートは、実はこのCDでした。新宿、川越、お台場、横浜の4チームに別れてとことん議論しつつ、最終的には「クラス全員で行きたい場所」をみんなで決めた。一度決まれば、何のしこりも残らないばかりか、みんな納得しているので楽しいことばかり。あれがボクにとっての理想的なCDだったのです。

 さて、〈6代目〉3年生は、どんな討論を見せてくれるでしょうか?


第62回 クリティカルディスカッション(2) を読む>>

 

(2017年1月 2日 10:00)
TOP