企業人の力 新聞で磨く~新入社員に活用法伝授

読売新聞の和田専門委員から紙面の特色などの説明を受ける新入社員

 新聞を活用して社会人、企業人としての力を高めてもらおうと9月4日、読売教育ネットワークは東京・芝浦のトヨタアドミニスタで研修を行った。新入社員たちが、実際に新聞を手にしながら、紙面をすばやくチェックする方法や、経済ニュースの読み取り方などを学んだ。
 同社はトヨタ自動車の販売店に対する経営コンサルティングなどを業務としている。研修に臨んだのは、今年4月に入社したばかりの総務・経理部門に所属する4人。講師は、ネットワーク事務局の和田浩二専門委員が務めた。

 

広告も情報源 新聞の特性知る

 「今日は紙面全体にある特徴がありますね」。和田講師の言葉に、当日の朝刊をめくる手が行ったりきたりする。「クルマ関連の広告が多いと思います」。この日は金曜日、国内外の自動車メーカーの全面広告などが並んでいた。「あ、週末だから」。記事ばかりでなく広告も時事的で、情報源になることを実感してもらった。

 続いて、紙面の構成やレイアウトの規則などを解説。見出しの大きさや記事の掲載場所から、一目でニュースの重要性がわかるという新聞の特性を生かし、短時間で情報をつかみ取る読み方を学んでいく。

 

「営業で使えそう!」

 最近の新聞から拾い上げた10のキーワードをクイズにして出題した。「三重県志摩市」「火花」「サニブラウン・ハキーム」......。政治、経済はもちろん、文化やスポーツ、流行まで、幅広い話題が掲載されていることを指摘する。皆が首をひねったのは「ハーフバースデー」。生後半年を祝う欧米の風習で、日本でも広まっていると「くらし面」で紹介されていた。「こういう知識は営業で使えそう」、そんな声も出た。

 

新聞+他メディア 立体的にニュースを理解

 丁寧にニュースの経緯を追ったのは、スズキ、フォルクスワーゲンの日独大手自動車メーカー2社が提携を解消するという経済記事。8月末に一面で大きく報じられ、経済面には解説が載った。続報では、互いの持ち株の処理が焦点になったが、新聞は細かな動きも連日報じていることを確認した。
 記事を読み込むうち、提携解消のいきさつに疑問が生じた。「スマホで検索してみましょう」と意外な指示が和田講師から飛ぶ。過去の雑誌記事を見つけ、提携当初から2社の思惑に食い違いがあったことがわかった。「新聞は、最新のニュースを追っていく継続性のメディア。新聞を軸にしながら、ネットやテレビ、書籍など複数の媒体を使ってニュースを掘り下げていくと、より立体的に理解できます」という説明に、4人は大きくうなずいた。

 

「見出しは有用」「知識増える」

 受講した巽香苗さん(23)は、「時間がないときには、見出しや、一面のインデックスを見るだけでも、情報が得られるとわかった」。一面コラム「編集手帳」の大ファンという吉田遼さん(24)は「一面や社会面を中心に読んできたが、これからはくらし面も愛読したい」と話す。
 4人は先日まで販売店で研修し、「お客さんのほうが自動車はもちろん、いろいろな知識が豊富」と痛感したという。上辻妃沙香さん(24)は「新聞はとっつきにくいと思っていたけれど、読売は文字が大きくて読みやすい。自分が無知だと実感しているので、活用したい」。通勤電車内ではスマホでニュースを見ていたが、新聞の一部を抜き取って折り畳めば読めそうという声も聞かれた。

 

 受講生たちは、今後半年にわたって、継続的に新聞を購読し、活用法を身につけていく予定。今回の研修を企画した総務部人材開発グループの三枝宏至担当課長(57)は、「わが社は若手のうちから幹部や社外の年長者にプレゼンテーションする機会が多い。新聞を読んで知識の引き出しが増えれば、話し方から洗練されるのではと考えている」と語る。

(2015年9月16日 12:00)
TOP