就活ON!Vol.9〈学生コラム〉No more 英語嫌い

ロンドン・ビックベン前の交差点。街並みは「so cool」だった(2月9日撮影)

vol.9 〈学生コラム〉


No more 英語嫌い


題材記事:2月16日朝刊第2社会面「変わる授業風景(中) 英語『読み書き』少しずつ」


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「ah?」

 顔をしかめ、両手を広げてお手上げのポーズ。先月のロンドン旅行中、イギリス人に何度もこうつぶやかれた。これまで訪れたアジアの国では、「I want to go どこどこ。Where?」や「How much?」「What is this?」といった簡単な英語でコミュニケーションが取れた。お互いに「適当英語」で会話ができた。しかし、イギリスでは簡単な英語すら聞き取れず、自分の「適当英語」も通じなかった。ネイティブの英語がわからなかったことに、自分の英語力の低さを痛感した。

 

 2020年度から小学校で本格的な英語の授業が始まる。3、4年生から歌やゲームで英語に親しむ「外国語活動」が始まり、5、6年生は教科として、読み書きや文法を勉強するという。2月16日読売新聞朝刊の第2社会面「英語『読み書き』少しずつ」では、小学英語の教科化で、単語の暗記や文法を押しつける形になれば、「苦手になる時期が早まるだけ」といった懸念が学校現場に広がっていると書かれていた。

 

 私も、単語や文法の暗記で英語が嫌いになった人間だ。せっかく単語や文法を覚えても会話で使う機会はない。受験勉強で求められる長文読解や文法問題は「暗号」の解読のようだった。どんどん英語がつまらなくなった。大学で英語を学んだのは、2年生までの週2回の授業だけ。就職活動で、内々定を得たある企業の人事からは「君はエントリーシートのTOEICの欄が空欄だけど...。入社までには英語を勉強しておいてね」とプレッシャーをかけられた。苦笑いを浮かべることしかできなかった。

 

 語学を学ぶ楽しさは、異なる文化を持つ人とコミュニケーションを取れることにある。たとえば、ロンドンから渡ったスペインで、バルセロナのお肉屋さんに行ったときのこと。店主は頑固おやじ風のちょっと強面なおじさんで、英語もあまり話せないようだった。そこで、ガイドブックを片手にスペイン語で「ハモン・セラーノ(生ハム)」と話しかけた。おじさんは途端に笑顔になり、本来1kg単位で売る生ハムを、特別に100g250円で売ってくれた。おじさんとの心理的な壁が急になくなった気がした。もし中学生や高校生の時に同じような経験をしていたら、英語嫌いにはならなかったと思う。

 

 そこで提案。すべての小学生は海外に修学旅行に行くようにしたらいいと思う。英語で外国の人と話す楽しさと厳しさが実感できれば、英語を「暗号解読」と考える自分のような人間は少なくなるはずだ。大学無償化よりも教育効果がありそう。いかがでしょうか、文部科学大臣。

(慶応大4年 聖)


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(2017年3月17日 17:30)
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