就活ON!Vol.8〈学生コラム〉ゾウのはな子像

最後に会った時のはな子(2016年2月26日、井の頭自然文化園で)

vol.8 〈学生コラム〉


ゾウのはな子像


題材記事:1月26日朝刊 武蔵野版「はな子像5月5日設置 吉祥寺駅前 全長2メートル以上見通し」


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 アジアゾウ「はな子」が昨年5月26日にこの世を去った。1949年に戦後初めて日本にやってきた国内最高齢の像だ。私が最後に、はな子を目にしてから3か月後の出来事だった。

 

 はな子が飼育されていた井の頭自然文化園(東京都武蔵野市)が自宅から近いということもあり、よく家族や友達と足を運んでは、はな子の元気な姿に勇気づけられていた。最後に、はな子の元を訪れたのは、第一希望の大学に合格することが叶わなかった受験後の春休みだった。当初、はな子を見る予定はなかったが、母に「せっかく近くまで来たんだから、久しぶりに見に行かない?」と誘われ、行くことになった。平日の昼間にも関わらず、はな子の飼育小屋の前は多くの人たちで賑わっていた。ロープを使って無邪気に遊んでいるはな子を見て、私は、進学先で思い切り自分のやりたいことに打ち込み、充実させようと心に誓った。

 

 過去には飼育員を死なせてしまい脚に鎖をつながれるなど、ゾウ舎内で不自由な生活を送ってきた、はな子。多くの人が、そんな波瀾万丈な、はな子の生き方に自分自身を重ね、勇気づけられていたのかもしれない。

 

 それから3か月。最初、はな子の死を知った時は、ショックだった。しかし、テレビのニュースで、飼育小屋の前に設置された献花台に手向けられた多くの花を目にしたとき、こんなにも多くの人を癒やし、勇気づけてくれてありがとう、という素直な気持ちが芽生えてきた。

 

 1月26日付の読売新聞朝刊武蔵野版に、はな子の銅像の設置日が5月5日に決まったという記事が載っていた。武蔵野市や地元商店街などによる実行委員会が製作を進めているという。はな子を思う多くの人々の気持ちが形になるのは素直に嬉しい。銅像が出来たら、もう一度、はな子に会いに行くつもりだ。

(東洋大2年 健太)


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(2017年3月10日 11:00)
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