秋田県大会は秋田南高・能美さんが優勝

  「高校生ビブリオバトル秋田県大会」(秋田県教育委員会主催、読売新聞秋田支局など後援)が11月3日、秋田市内で開かれた。平安時代の歌物語を歌人・俵万智さんが現代語に訳した「伊勢物語」を紹介した、県立秋田南高1年の能美寧々(ねね)さんが優勝した。能美さんは2017年1月8日に、よみうり大手町ホール(東京都)で行われる全国大会に出場する。
 ◆古典 恋愛バイブルに 
 発表の冒頭、「皆さんは『草食系男子』という言葉を聞いたことがありますか。恋愛に積極的になりたい男性に、この本をおすすめします」と呼びかけ、聴衆の興味をそそった。
 能美さんが紹介した「伊勢物語」は古典文学の短編集。現代を生きる人々にも恋愛バイブルとして読める作品だ。
 その中で取り上げた「初冠(ういこうぶり)」は、狩りに出掛けた男性が道中で美しい姉妹に出会い一目ぼれをするが、思いを伝える和歌の便箋を忘れてしまう。機転をきかせ、着物の裾を切って和歌を書き付けて、愛情を表現したという内容だ。「恋愛は時に素早い行動が必要。今の恋愛にも通じる大切なことを学べる」と語った。
 能美さんは中学生の頃に初めて古典を習って以来、雅(みやび)な世界を疑似体験できる点に魅了された。なかでも「伊勢物語」は何度読んでも面白い、特に好きな作品だ。「古典の魅力を伝えるにはこれが一番良い」と、紹介する作品に選んだ。
 大会に向けて、高校の図書館司書からアドバイスをもらったり、自宅で鏡を見て良い表情を作る練習をしたりした。
 純愛ものから複雑な人間関係を描いたものまで、幅広い恋愛物語を読める短編集のメリットや、個性的な登場人物たちの魅力を笑顔を交え、はきはきとした口調で伝えた。
 大会終了後、能美さんは「全国大会でも大好きな古典の面白さと、伊勢物語ならではの魅力を存分に伝えたい」と意気込んだ。
 県立図書館の高橋貢館長は「能美さんの発表を聞いて、普段はあまり読もうと思わない古典文学を読んでみたくなった」と講評した。
 県大会には秋田、由利本荘、横手、大館、能代の5会場で行われた地区大会を勝ち抜いた計10人が出場。準優勝は、諦めかけた恋が再び動き出す青春を描いたライトノベル「君が電話をかけていた場所」(三秋縋著)を紹介した県立大館桂桜高3年の阿部樹さんに決まった。

(2016年11月 7日 16:37)
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