「知識が深まった」ウィーン・モダン展 特別鑑賞会に教職員30人

中江花菜学芸員の話を、熱心にメモを取りながら聞き入る参加者たち。国立新美術館で

 国立新美術館(東京・六本木)で開催中の展覧会「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」を同館担当者の事前レクチャーつきで鑑賞する「特別鑑賞会」が7月12日(金)、同館で開かれ、読売新聞教育ネットワーク参加の教職員ら約30人が鑑賞会を堪能した。

 

 同展は、ウィーン・ミュージアム所蔵の名品を中心に約400点を展示。絵画、工芸、建築、デザインなど幅広い分野に光を当て、1900年前後にウィーンで花開いた世紀末の芸術文化を紹介している。

 特別鑑賞会では作品鑑賞に先立ち、同展担当学芸員の一人、中江花菜(なかえ・かな)研究補佐員が、展覧会の構成や時代背景などを解説。19世紀に上流階級が楽しんだジェスチャー遊びなど当時の風俗を反映した絵画や、クリムトやコロマン・モーザーら芸術家を中心に結成された分離派のポスターなどが映し出された。

 中江学芸員が、「分離派の画家たちの多くは、デザイナーでもあり、当時のポスターは今でも斬新で色褪せない。この展覧会のポスターにも、オリジナリティあふれる色やデザインなど取り入れた」と話すと、参加者たちは熱心にうなずきながら聞き入った。

 講義の後は参加者それぞれが、展覧会会場の作品を見て楽しんだ。

 参加者からは、「文化的背景など貴重な話が聞けてよかった。生徒たちにもぜひ、展覧会を紹介したい」、「レクチャーがあると、鑑賞のポイントがわかり、興味の持ち方が変わってくるのを実感した。理解が深まり、鑑賞をさらに楽しめた」という声が聞かれた。

 

 同展は8月5日まで開催中。

>>展覧会ホームページ

(2019年7月18日 11:47)
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