子どもの読解力向上へ、ニュース考える機会にも【茨城】よむYOMUワークシート活用

「よむYOMUワークシート」に取り組む大和中の生徒たち(7月9日、桜川市で)

 子どもたちの読解力を向上させようと、今年度、新たに茨城県内の5市町の小中学校で、読売新聞の記事を基に作成された教材「よむYOMUワークシート」が活用されている。桜川市の学校を訪ね、効果や感想を聞いた。(水戸支局)

 

桜川市の中学生「受験対策になる」「語彙力つきそう」

 7月9日、桜川市立大和中学校(生徒数91人)の図書室。「探究」の授業で3年生23人がワークシートに取り組んでいた。この日は、5月20日付朝刊の「AI苦手の『手作業』脚光」など、雇用にAI(人工知能)が与える影響に関する2本の記事から3問が出題された。生徒は10分間で答えを考え、教諭から指名された生徒が解答やその根拠を発表した。

 

 最初の問いは、空欄に入る言葉を記事から探し出すもの。デスクワーク中心のホワイトカラーがAIによって何を奪われているか、2文字で答える問題では、生徒が「仕事」と答え、理由を説明。他にも、「米国では大量解雇、日本では採用減の動きがある」など四つの文章が記事から読み取れるかどうか、○×で答える問いに対し、生徒たちは答えや、なぜそう考えたのかを語っていた。

 北本陽万里さん(14)は「長文を読むことに慣れていけば、受験対策になる」。岸本太一君(14)は「語彙ごい力がつきそう」と笑顔で語っていた。

 

 同校にはこれまで「牛丼大手 ラーメン熱い!」「映画ネタバレ記事 有罪」などの記事が載ったワークシートが配信され、全学年が挑戦。この日の授業を担当した沼口匡教諭(38)は、夏休みの読書感想文の準備を兼ね、AIと文章の関係を生徒に考えてもらいたいと今回の記事を選んだ。授業では生徒から「AIが考えた文章では個性が出ないのでは」などの意見も聞かれた。

 沼口教諭は「国語の教科書にはない理科や社会の専門的な文章に生徒が触れることができる」と新聞記事の利点をあげ、「子どもたちが最近のニュースについて考える機会にもなっている」と効果を話す。

 

小学校教諭「設問が工夫されている」

 一方、小学校には「パンダ 日本を魅了し半世紀」などの記事が載ったワークシートを配信。桜川市立雨引小学校(児童数100人)では、朝の自習の時間などに取り組んでいる。6年生の教諭は「問題が社会情勢に合っているので、子どもたちが興味を持ちやすい。答えの文字数を制限するなど、じっくり文章を読むように設問が工夫されているのもいい」と話した。

 桜川市では10校でワークシートを試験導入。同市教育委員会が5月に教職員に実施したアンケートでは、「読むことに対する苦手意識が改善してきた」などの記載があった。


 ワークシートは茨城県内で今年度、桜川市、筑西市、つくばみらい市、八千代町、大子町の小中学校で試験導入され、自治体単位では鹿嶋市が2024年度から活用している。

(2026年10月14日 12:15)
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