「Campus Scope」47号は、コロナ禍からの「Re:START」をテーマにしました。取材と原稿執筆、広告を担当したメンバーは、コロナ禍をどう過ごし、何を思ったのでしょう。アンケートを行い、自由に書き込んでもらいました。(慶應義塾大学・渋谷真由)
コロナ禍で失ったもの 得たもの
47号の編集を担当したのは、春に入学した大学1年生から就職活動まっただ中の3年生までの21人です。様々な行動制限のもとで、高校生活、大学生活を過ごしてきました。土田麻織さん(法政大学1年)は「高校入学と同時にコロナが流行し、ほとんどの行事を本来の規模で行えなかった。もう元には戻れないのでは、と怖くもあった」と振り返っています。神田明日香さん(法政大学3年)は「高校最後の定期演奏会の準備を進めていたが、1か月前に中止が決まった」といいます。
世田谷区の尾山台商店街を取材した神田記者
21人はそれぞれにコロナ禍を前向きに捉えようともしていました。「全てを時代のせいにしてしまう自分にも嫌気がさした」=坂爪香穂さん(法政大学2年)=。高校時代にダンス部に所属していた野元美帆さん(法政大学1年)は、後輩のために動画を作り、振り付けを覚えてもらったそうです。コロナ禍でオンラインの便利さ、様々な用途に使える可能性を実感した人も多いと思います。
田村記者は自作の絵本で読み聞かせを行う高校生を取材した
田村杏菜さん(日本大学3年)は、思うように外で遊べない子どもたちのためのボランティアで、紙製のスイカを使ったスイカ割りを楽しんでもらいました。「失ったものより得たものの方が多い」という吉野彩夏さん(慶應義塾大学3年)の意見には、全員がうなずくことでしょう。
様々な行動規制が緩和された今、みんなはどんな「Re:START」を思い描いているのでしょう。47号で明治大学サッカー部の井上樹主将を取材した冨田大和さん(東洋大学3年)は「日本中がスポーツに熱狂する未来を見たい」と答えてくれました。「留学生が再び来るようになり、新たな国際交流サークルを作ろうと試みている」=津田凜太郎さん(上智大学1年)=、「海外留学を実現させたい」=高橋礼那さん(上智大学1年)=など、多くがコロナ禍で狭まった活動の舞台を広げようとしています。
一人で過ごす時間 増えた
自由意見に加え、アンケートではコロナ禍の暮らしぶりについて、選択肢を示して答えてもらいました。
元女子ラクロス日本代表・織田陽子さんを取材する渋谷記者
緊急事態宣言が出ている時の外出については全員が「自粛した」と答えています。感染を防ぐため実践してきたことを複数回答で聞くと「手洗いや消毒を丁寧に行う」(21人)が最も多く、「外出するときにマスクを着用する」(20人)、「人ごみを避ける」(19人)などが続いています。
マスクについては「日常的に着用することをつらいと感じる」13人、「つらいとは感じない」7人でした。「周囲が着用しているなら、自分も着用しなければならないと感じる」と答えた人は17人に上っています。友人や知人の前でマスクを外すことについては18人が「構わない」と答え、抵抗感は薄いことがわかりました。
自由意見では高校、大学での活動への影響が指摘されました。選択肢を示した質問では「部活やサークル活動の時間が減った」と答えた人は11人、「変わらない」5人、「部活やサークル活動はしていない」4人となっています。「一人で過ごす時間が増えた」との回答は14人でした。
(「大学生が取材しました」は、毎月第1水曜日の読売新聞朝刊「SDGs@スクール」面に掲載しています)