「平和とは」考え、伝え続ける ~ 読売新聞ウクライナ報道写真展

 ロシアによるウクライナ侵略から1年。岸田首相の訪問などで、関心の高まりを感じる一方、今も連日悲惨なニュースが伝えられています。3月30日まで行われた読売新聞の記者による報道写真展に足を運び、考えました。

(法政大学・坂爪香穂=キャンパス・スコープ副編集長、写真は朴珠嬉撮影)

 

「現状を伝えてほしい」思い受け止め

 

 会場となった東京・銀座のギャラリーに一歩足を踏み入れると、たくさんの写真が目に入ってきました。キャンパス・スコープの取材で写真を撮ることも多い私自身、被写体の表情をとらえた写真の数々に、「さすがプロの写真だ」と圧倒されてしまいました。ただ、写真の横に書かれたキャプションを読むとやはり、ウクライナでの悲しい現実が浮かび上がります。

 

 「午前5時に空襲警報が鳴り、ホテルの従業員の誘導でシェルターへ避難した」。現地で取材した読売新聞写真部の三浦邦彦記者が話してくれました。今まさに戦争が行われている現地での取材。緊張感をひしひしと感じるとともに、たくさんの困難があっただろうと思いました。三浦記者によると、それでも、現地の方は、取材を快く受け入れてくれることが多かったそうです。「この現状を伝えてほしい、という思いを感じた」と振り返っていました。

 

 同じく現地で取材したという写真部の関口寛人記者にもお話を聞くことができました。「日本では少しずつ、ウクライナ侵略への関心が薄れてしまっているように感じる」と話す関口記者。私自身、1年前に比べてニュースに接する機会が減っていることを思い起こし、「写真展を、一人一人が考えるきっかけにしてほしい」という言葉に、深くうなずきました。

 

 

 2022年10月に発行したキャンパス・スコープ46号では、「平和とは」をテーマに全力でウクライナ侵略について向き合いました。私自身、ポーランドでの避難民支援ボランティアに参加した大学生の話を聞き、何よりも行動することが大切であると学びました。

 

 会場には、読売新聞の記事を読んでこの写真展を知ったという方がたくさん訪れていました。世界情勢に敏感になること、自分から積極的に情報を得ることが大切と、改めて実感します。現地で取材した記者のお話を聞き、キャンパス・スコープで活動する私も、「同世代に伝えること」を通して、社会や世界の問題を意識し、関わり続けていこうと思いました。

 

報道展「ウクライナ 戦禍を生きる」は4月14日まで、大阪市北区の読売大阪ビル1階Yスクエアで開催しています。午前9時半~午後5時半。入場は無料。詳細はこちら

 

(2023年4月 4日 10:43)
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