エントリーシートの書き方学ぶ ~ キャンスコ × 就活

 2024年に大学を卒業する3年生の採用活動が解禁されました。早期化・長期化が言われる就活も大詰めを迎えています。私は4月から2年生になりますが、先輩たちの活動を耳にし、少しずつ心構えを始めています。「採用担当者の心をつかむエントリーシート(ES)の書き方」をテーマにした講座が行われると聞き、取材しました。

(法政大学 村田実優)

 

印象に残るESとは?

 

 東京都庁にほど近い新宿区立角筈図書館で行われたビジネス支援講座。多くの企業が集まる新宿区だけに、就活生だけでなく、現役の社会人も対象にしています。ビジネスパーソンも参加しやすいよう、金曜日の午後6時30分という遅めの開始時刻でした。10人ほどの参加者は、年齢・経験も様々です。

 

 「就活は情報のインプットとアウトプットが鍵」と強調したのは、講師を務める読売新聞の石橋大祐記者です。人事部で採用担当を務めた経験も踏まえ、スキルアップのためには「情報の活用が欠かせない」と言います。特に印象に残ったのは、「就活とは、答えのない世界」という言葉です。「採用担当者の印象に残るエントリーシートの書き方」という「答え」を求めて会場に集まった参加者たちは、戸惑いながらも、熱心にメモをとります。たくさんの志望者を面接し、多くのエントリーシートに目を通してきた経験から石橋記者が重要だと思うのは、「自分ならではの経験を、自分の言葉で書くこと」です。コロナ下で「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」を書くのが難しいといわれている昨今だからこそ、そんなアドバイスにとても勇気づけられました。

 

 

 ESだけでなく、面接、グループディスカッションについての話もありました。石橋記者が指摘したのは「就活の3大アウトプットと必要な力」。文章力、コミュニケーション力、論理展開力を磨く上で、新聞に代表される幅広いニュースに目を通し、自分なりに日々解釈することを繰り返していけば、「自分の言葉」が磨かれていく。そんなアドバイスに、参加者たちも大きくうなずいていました。

 

 「自分ならではの体験」という言葉を振り返ってみた時に、私自身は昨年の夏休みの「つまづき」を思い出しました。興味のあることが多すぎて、手当たり次第に挑戦をしてみました。結局、「強み」としてアピールできるほどの質が伴っていたかと思うと、疑問が残りました。やりたいこと、やれることには限りがある。石橋記者は「特異な経験をアピールするのではなく、何でもない経験だったとしても、自分の言葉で話せることが大切」と説明します。就活の最大の目的は、「自分のことをよく知らない人に『一緒に働きたい』と思ってもらう」こと。私にとって本格的な就活はまだ先のことですが、「自分のストロングポイントは何か。どうすれば自分の言葉でアピールできるのか」を自問自答しながら、これからの大学生活を過ごしていきたい、と思いました。

 

  

(2023年3月15日 08:00)
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