JTBの出前授業が2016年10月20日、鎌倉市立大船中学校(神奈川県鎌倉市)で行われた。横須賀支店長の益山賢太さんが講師を務め、「形には残らないが、心に残る仕事の魅力」について考える授業を行った。
まず、JTBのブランドスローガン「感動のそばに、いつも。」を挙げ、企業にはブランドスローガンを掲げているところも多いと説明。JTBの事業について「地球を舞台にあらゆる交流を創造する『文化交流事業』です」と解説した。国外の事業所も多く、約2万7千人の社員のうち4000人は外国人であることや、旅行を案内する添乗員の中には一年のうち250日ぐらい海外にいる人もいることなど仕事の特殊性も話した。益山さんが1991年に入社した理由や若手時代のエピソードを披露。
山形・最上三十三観音霊場巡礼」ツアーを担当していた時に、参加した老夫婦の夫の具合が悪いため2人だけの部屋を急きょ確保するなど、サポートに心を砕いたが、旅行後まもなく亡くなった。「『観音さまに祈りたい』という夫の願いもかない、2人でゆっくり話す機会も取れたのは新婚旅行以来のこと。一生の思い出になった」という妻の感謝の言葉を聞いて号泣した。「人の心に残る仕事が出来た。この会社に入って良かったと思った」と振り返った。
旅行業の話をした後は「実習」。生徒たちには4人ずつのグループに分かれ、「京都に11時30分ごろに着く新幹線の切符がほしい」という客の申し込みに、JTB社員になりきって、時刻表を使い、最適な列車の切符を手配するという実習に臨んだ。確認が必要なポイント(利用者数、乗車駅など)をグループで考えて発表、新横浜9時29分発京都11時25分着「のぞみ19号」という結論にたどり着いた。
その後、地元・鎌倉に、海外から観光客をもっと呼び込むため何を改善したらいいか、グループで話し合った。「道路が狭いので広くする」「外国人用の案内看板を増やす」「バスを増やす」など、具体的な提案が次々に発表された。
これまで仕事で40か国以上に足を運んだという益山さんは「2020年には東京五輪もある。海外の人と触れ合ってほしい。世界がもっと近くなると思うというメッセージで、授業を終えた。
授業を受けた松岡直輝君は「旅行が好きなのでこの授業を聞いた。JTBの仕事は大変なことが多いことがわかったが、楽しさも見つけられそうだと思った」と話した。
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