日本科学協会の出前授業「もしも地球が立方体だったら」が2015年12月17日、文華女子中学校(東京都西東京市)で行われた。水文気象学や地理情報学が専門の松山洋・首都大学東京教授を講師に、1年生から3年生の生徒18人と教職員らが参加した。授業は、「地球が1辺1万キロメートルの立方体だったら環境はどう変化するのか」をテーマに、模型や映像を使って地球の仕組みを楽しく学ぼうというもの。
松山教授は「まずは常識を疑ってみよう」と、立方体の地球を想定して、地球環境について考えてみることの意義を説明。「地球って球だと思いますか」「標高0メートルって何の高さ」などと問いかけながら、「気温」や「気圧」の仕組みについて解説した。その上で、立方体地球を想定した講義では、海のある面と海のない面では環境が劇的に変化することを説明し、生徒たちは地球が微妙なバランスの上に成り立っていることを、改めて感じ取った様子だった。
生徒たちから、「なぜ二酸化炭素が減ると気温が下がるのか」といった質問が出され、松山教授は「二酸化炭素は熱エネルギーを吸収する。まったく無かったとしたら、熱エネルギーは宇宙に出ていってしまい、平均気温は大きく下がる」などと、噛み砕いて説明する場面もあった。
授業に参加した3年生の生徒は、「立方体になったら環境があんなに変わってしまうのかと思って、怖くなった」「地球が丸くてよかった」などと話した。
日本科学協会の教育プログラム
>>お問い合わせください