2025春の地域医療体験プログラム・動画

 

 福井県おおい町国民保険名田庄診療所で、2025年3月に行われた「地域医療体験プログラム」の様子を動画で紹介します。

 プログラムでは、4人の高校性たちが、同診療所と関連する介護施設を訪問し、診療やサービスを見学。体験学習を行ないました。

 医師や看護師、介護士などのほか、患者や地元住民とも接し、高齢化が著しい地域の人たちの現場を実感しました。

 

 

参加生徒の感想

富山県立富山中部高等学校 1年

佐藤 風羽さとう ふうわ さん

 強く印象に残っているのは、患者さんと医療従事者の信頼関係でした。中村先生を見ると、患者さんだけでなく、ご家族や働く方までが一瞬で笑顔になりました。家族構成、仕事、趣味や住環境などまで観察することで、生活背景を考察できると教えていただきました。訪問介護でのヘルパーさんの姿も強く印象に残りました。100歳を超える女性の体を隅々まで丁寧に拭く姿から、女性に少しでも気持ち良くなってもらいたいという思いが伝わってきました。ヘルパーさんやケアマネージャーさんは気になることがあると、医師や看護師に伝えるそうです。診療所だけでは見られない面にも気づくことができる仕組みが地域医療にはあると思いました。「総合医の診る心」を教えていただきました。


開智中学高等学校 2年

古谷 奈々恵ふるや ななえ さん

 名田庄は高齢者が多い地域ですが、多くの人が幸せに過ごせる医療を行っていると思いました。診療所には、介護サービス施設、保健センターも集約されています。軽い認知症のおじいさんを介護しているおばあさんは、おじいさんがデイサービスに行っている間はジムで運動することもできます。さまざまな職種が連携することで、高齢の介護者の負担を減らせるのです。また、中村先生と患者さんの仲の良さも印象的でした。先生を「友達のような人」と言っている患者さんもいました。患者さんのことを十分に知った上で、相手が望む医療を最大限提供しています。私も医師になったら、人として患者さんに向き合うことを大切にしたいと思います。

富山県立富山中部高等学校 1年

本部 志穂美ほんぶ しほみ さん

 末期がんの患者さんの訪問診療と看取りに同行しました。自分の話をしながらコミュニケーションを取り、「普通の人」「人間」として話す姿勢が印象に残りました。人の死に触れることは初めてだったので、とても怖かったのですが、中村先生が患者さんにかけたのは「やっと寝れたね。楽になれたね」という言葉。呼吸が苦しくて寝ることができなかった患者さんに寄り添った言葉でした。私が医師になれたら、亡くなった方が「幸せな死に方だった」と誰からも思われるような声掛けやサポートができればと思いました。何気ない質問で日常生活を聞くことができれば、患者さんの負担にもならないので、診療では質問力が最も大切な力だと学びました。


東京都立戸山高等学校 1年

門傳 孝寿もんでん こうじゅ さん

 名田庄ではどの人も「ありがとう」という言葉を欠かさなかった。訪問介護で訪ねた100才越えのおばあちゃんは「おおきにおおきに」と何度も言っていた。多くの人が中村先生のことを楽しそうに話してくれた。自分も多くの人に慕われ、頼られる医師になりたいと思った。地域医療は余裕がなくて緊張した雰囲気だと思っていたが、どの人もあたたかく私たちのことを受け入れてくれた。訪問診療で患者の家をみてその人の好きなものや家族のことなどに気づき、話題に入れたりすることでより患者さんと深く関わりあうことで、小さな変化に気づけるのだと感じた。


 読売新聞社は、地域医療に関心を持つ高校生が現場に学ぶ「地域医療体験プログラム」を今後も実施する予定です

(2025年5月12日 13:09)
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