プログラミングで社会を学ぶ 「新聞のしくみ教室」に親子150人

真剣な表情でタブレット端末に向き合う

 親子で記事や写真を切り貼りしてスクラップ新聞を作り、プログラミングも駆使して"社会のしくみ"を体験する「新聞のしくみ教室」(読売新聞社、学研エデュケーショナル主催)が昨年12月7日、東京・大手町の読売新聞東京本社で開かれた。午前と午後の部合わせて67組約150人の親子が参加。完成した「世界に一つだけの新聞」をトラックに積み、印刷工場から販売店へ届ける想定でロボットプログラミングに取り組んだ。

 

 2020年度から順次実施される次期学習指導要領の総則に盛り込まれた新聞活用と、小学校から必修化されるプログラミング教育を同時に学んでもらおうと、読売新聞社と学研エデュケーショナルがコラボし、今回の教室が実現した。

 

 前半は、読売新聞東京本社教育ネットワーク事務局の記者がスクラップ新聞作りのコツを伝授。読売新聞や読売KODOMO新聞などを親子でめくりながらテーマを決め、切り抜いた記事や写真を台紙に貼っていった。子どもと保護者が感想を書き込み、親子で力を合わせて作品を作り上げた。

プログラミング教室に先立って行われた新聞教室。午前、午後の部ともたくさんの親子が参加した
切り抜いた記事や写真を台紙に貼り、世界に一つの新聞を作った

 後半はロボットプログラミング教室。学研エデュケーショナルの講師が、トラックに見立てたロボットカーを思い通りに動かす方法を説明した。子どもたちはタブレット端末を操作し、紙に描かれた印刷工場や販売店をトラックが行き来するプログラムを考えた。

 

 参加者からは「新聞作りとプログラミングをいっしょに体験できて楽しかった」などの声が聞かれた。

 

販売店にピタリ「やった!」

 「人間の命令を絶対に聞くのがロボット。今日は新聞を印刷工場から販売店に届ける配達トラックのプログラムを作りましょう!」。講師が呼びかけてロボットプログラミング教室はスタートした。

プログラミング教室で使った素材一式。右端の「トラック基地」を出発、「印刷工場」で新聞を積み込んで「販売店1」に戻り、左端の「販売店2」でストップさせる

1. まず、タイヤを回すモーターと、人間の脳にあたる小さなコンピューター「スタディーノ」をコードで接続する。これでトラックは完成。

2. 講師の合図でトラックに命令を出す。「動けー!」。あれ、動かない。「ロボットは人間の言葉がわからないから、わかる言葉で命令しないと動きません。それがプログラミング」と教わる。なるほど。

3. 今回使うのはタブレット端末。左側にあるカードの一覧から「モーター正転」のカードを右側にドラッグし、速さを設定して命令はそろった。ところが動き出したトラックが止まらない。

4. 「停止」のカードをドラッグしてつなげ、動いてから止まるまでの時間を設定。さらにいったんバックし、再び前進しなければいけないからとても複雑。「1秒だとこれだけ動いたから......13秒だ!」

5. 「行け!」。動き出したトラックは、販売店2の線の上でぴたりと止まった。

●動画(30秒・無音)

 

日常生活でも生きる「思考法」

プログラミング教育に詳しい

田中孝宏 氏(東京都江戸川区立東小松川小校長)


 世の中の様々なところで、プログラムは活用されています。例えば、歩行者用信号機のプログラム。青点灯→青消灯→赤点灯→赤消灯とパソコンでプログラムを作り、信号機に伝えてみます。すると、青が点灯してすぐ消え、赤も点灯してすぐ消えてしまう。これでは信号機として使えません。青の点灯は何秒間か、消灯する秒数は、点滅を何回させるか......。いろいろな情報が足りないのです。

 

 自分の考えていることを、正確に機械に伝えるのは難しい。してほしい動きを順序よく、効率的に伝えなければなりません。このように考えを巡らすのが、プログラミング的な思考です。2020年度から小学校では、プログラミング的な思考を学ぶプログラミング教育が必修化されます。

 

 なにも機械に命令するだけではありません。朝起きて学校に行くまでの道順を考える、料理が出来上がるまでのレシピを考える......。日常の様々な場面でプログラミング的な思考は使えます。こうした思考を学ぶことで、私たちはプログラムされた機械に囲まれた今という時代を、よりよく生きられるようになるのです。

(2020年1月27日 15:43)
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