第12回 全国高等学校英語スピーチコンテスト 全国大会リポート

 「第12回全国高等学校英語スピーチコンテスト」(全国英語教育研究団体連合会主催、読売新聞社など後援)が2月10日、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれた。全国9ブロックの地区予選を勝ち進んできた高校生18人が出場し、第1部は静岡県立浜松湖南高1年の豊田亜美奈さん、第2部は群馬県・ぐんま国際アカデミー高等部2年の金澤有明(ありあ)さんがそれぞれ1位に輝いた。

 

※英語圏に通算1年以上住んだ経験がない生徒らが第1部、英語圏で通算1年以上暮らしたことがある生徒らが第2部にそれぞれ出場した。


 

◆第1部1位 文部科学大臣賞・文部科学大臣杯

「Accidentally in Love」

 豊田亜美奈さん(静岡県立浜松湖南高校1年)

 

【受賞のことば】

 「サポートしてくれた先生や家族からのプレッシャーを感じていたので、優勝できて安心した。スピーチの出だしで噛んでしまい、『これで入賞はなくなった』と思ったが、あそこで開き直ることができたのがよかったのかな」。そう言ってほっとした表情を浮かべた。

 スピーチのテーマを探していた昨年の夏、性的少数者(LGBT)について、国会議員が「生産性がない」と月刊誌に投稿したことがニュースになった。米国の新聞などをたくさん読んで情報を集め、アメリカに留学した時に出会った友人がゲイだと告白した実体験も交えながら原稿をまとめた。「言いたいことはたくさんあったけれど、LGBTの人々が嫌な気持ちにならず、賛成してもらえるようなスピーチにしようと工夫した」と話す。

 目標はフライトアテンダント。「そのためにアメリカの専門学校に進学したい」と力強く語った。


 

◆第2部1位 外務大臣賞・外務大臣杯

「A Look Behind Your Favorite Local Pet Store」

 金澤有明さん(ぐんま国際アカデミー高等部2年)

 

【受賞のことば】

 「すばらしい出場者がそろった全国大会で優勝できるなんて......。とてもうれしい」。少し戸惑いながら、喜びの言葉を口にした。

 14歳までアラブ首長国連邦(UAE)で過ごした。虐待を受けた動物を救って、シェルターに保護するという内容のアメリカのテレビ番組が好きで、かわいいペットを求める消費者のため、繁殖を繰り返すペットビジネスのあり方に疑問を持つようになった。「ペットショップの前を通ると、怒りと悲しみがこみ上げてくる。私がスピーチで話せることはこれしかないと思った」。繁殖した犬の販売を禁じる米カリフォルニア州やブリーダーの数を制限するオーストラリアの事例などを盛り込み、日本でも法律を作る必要があるなどと訴えた。

 世界史の先生になるのが夢。「大学はカナダ、その後はヨーロッパの大学院へ」と抱負を語った。


 

その他の受賞者(敬称略)

【第1部】

◆第2位 読売新聞社賞

「Feminism in Japan」

 佐々木陽太(ひなた)(東京都立立川高2年)

第3位 全英連会長賞

「AI's Tomorrow」

 三熊佑依(広島市立基町高2年)

 

【第2部】

第2位 読売新聞社賞

「How Synthetic Are We?」

 ラムチャンダニ妥耶(たや)(兵庫県立芦屋国際中等教育学校5年)

第3位 全英連会長賞

「Making Things Normal」

 中原明日美(岡山県・清心女子高2年)

 

(2019年2月21日 11:30)
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