早大生の「いま」新聞に

早大生たちが取材し、記事を書いた「WASEDA NOW」

 早稲田大学の学生たちが、読売新聞と連携した課外活動で、特別新聞「WASEDA NOW」(4ページ)を作成し、このほど刷り上がった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で苦境に立つ「早稲田の街」の現状などを、学生自身が取材し、記事を執筆した力作だ。

 

読売新聞連携の課外活動で

 

 早大は、企業などで働く社会人の指導で学生が様々な課題の解決法などを学ぶ課外教育プログラム「プロフェッショナルズ・ワークショップ」を2007年度に始めた。読売新聞は19年度に初めて連携し、2回目となる今年度は、学生自身が「ニュース」を探し、取材や記事執筆も行う体験をしてもらった。
 参加した学生は19人。読売新聞の記者3人が講師を務め、昨年11月から3か月かけて新聞作成に取りかかった。毎週火曜日の夜には会議を開き、学生たちが持ち寄った「ニュース」の価値などを議論。「WASEDA NOW」の題字も「早大生が今、伝えたいこと」の思いを込め、学生たちの話し合いで決めた。

 

 

コロナ下の街など取材

 

 こうして、計16本の記事ができあがり、新聞の1面トップに掲載されたのは、「ワセダ愛『コロナに勝つ』」の見出しの記事。地元の商店会が始めたデリバリーサービスに、早大生も一役買っているという内容で、学生たちが自転車で配達を請け負う様子などを取材した。
 この記事を手がけた社会科学部1年、三浦雪絵さんは「コロナ下で対面の授業もできない中、早稲田の街と早大生の関わりにはどんなものがあるのか知りたくなった。様々な人に会い、話を聞けたのは貴重な体験だった」と振り返る。
 2、3面では、早大の卒業生らに「幸せ」について聞いたり、オンライン授業の課題や就職活動の変化などを取材したりした。SNSで怪しげな「もうけ話」を勧誘する実態を、学生自身の体験を交えて紹介するルポ風の記事なども掲載。4面には、参加学生らの感想を顔写真付きで載せた。
 紙面は読売新聞の工場で1万部印刷し、9000部を早大に贈呈した。1月19日に新聞完成の報告会がオンラインで行われ、あいさつした早大の井上文人理事は「素朴な疑問から真実に近づく新聞制作の一端が経験できたと思う。根拠となるデータを掲載するなど、説得力のある読みやすい記事が多かった」と話した。

 


 

(2021年2月25日 10:33)
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