山口紗弥さん、松浦佑女帆さん、平野紗莉さんに優秀賞...全国中学ビブリオバトル
京都市の立命館大学衣笠キャンパスで3月9日に開かれた「第8回全国中学ビブリオバトル決勝大会」(活字文化推進会議主催、読売新聞社主管)で、3人のバトラーが優秀賞を受賞した。
福島県代表 山口紗弥さん、ミステリー「アリアドネの声」を紹介

福島県代表の西会津町立西会津中2年、山口紗弥さん(14)は、「アリアドネの声」(井上真偽(まぎ)著、幻冬舎)を取り上げた。イベント開催中に大地震が発生し、地下に取り残された目と耳が不自由で話せない女性を、つらい過去を持つ男性がドローンを使って救出を試みるミステリー小説だ。
山口さんは聴衆に目をつぶることを促し、「助けてほしいのに声を上げることもできない。そんな状況に耐えられますか」と呼び掛けた。小説の世界に引き込んだうえで「過去にとらわれた青年と闇をさまよう女性。2人の暗闇に光は差すのでしょうか」と期待を持たせて締めくくった。
「全国大会の決勝にまで出ることができ、いい経験になったし、楽しい思い出にもなった」と喜んだ。
京都 松浦佑女帆さん、小説「二人一組になってください」を語る

地元・京都から学校代表として出場した龍谷大付属平安中3年の松浦佑女帆(ゆめほ)さん(15)は「二人一組になってください」(木爾(きな)チレン著、双葉社)の魅力を語った。
女子高校の卒業式直前に「誰かと手をつながないと死ぬ」という設定のゲームが始まる――。そんな設定でいじめの問題を掘り下げた小説を、松浦さんは「本当の友達とは何か、本を読んで深く考えさせられました」と紹介。決勝では300人の聴衆を前に、落ち着いた口調で語りきった。
「私の好きな本の魅力をいろんな人に広められて、うれしい一日だった」。閉会後、会心の笑顔を見せた。
大阪 平野紗莉さん、紹介本は「90秒で好かれる技術」

大阪から学校代表として出場した関西創価中2年の平野紗莉(さら)さん(14)は「90秒で好かれる技術」(ニコラス・ブースマン著)を紹介した。対人コミュニケーション技術をまとめたビジネス書だ。
「こんな経験ないですか」と友達作りの難しさから語りだし、態度や表情の具体例や相手に合わせるコツを、表情豊かに紹介した。この本と出会い、人に話しかけたり、人前で話したりすることができるようになったという。
「できることをやりきった」。受賞に笑顔を見せた。
彬子さまから著書3冊

優秀賞の3人ら決勝に進んだ6人には、特別ゲストとして会場で観覧された三笠宮家の彬子(あきこ)さまから「赤と青のガウン オックスフォード留学記」(PHP研究所)など3冊の著書がプレゼントされた。
※この事業は、一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)の共通目的基金の助成を受けて実施されました。
