この記事は、「学校図書館法公布70周年記念事業運営委員会」からのお知らせです
活字文化推進会議や日本新聞協会などでつくる「学校図書館法公布70周年記念事業運営委員会」(事務局・学校図書館整備推進会議=日本児童図書出版協会内)は1月12日、学校図書館法公布70周年にあたる2023年を新たな契機に、学校図書館が自ら学び続ける市民の育成に大きく寄与することを願って、アピール文「私たちは学校図書館を応援しています」を発表しました。
アピール文では、子どもが読書を楽しみ、主体的な「学びの方法」を身につけるために図書資料の充実、学校司書の待遇改善などを訴えています。賛同者には作家の浅田次郎氏、今村翔吾氏らが名を連ねています。アピール文と賛同者一覧は以下のとおりです。
アピール
私たちは学校図書館を応援しています
学校図書館法公布70周年記念事業運営委員会
学校図書館整備推進会議
全国学校図書館協議会
文字・活字文化推進機構
学校図書館法公布70周年の2023年を迎え、私たちは、学校図書館が学校教育に欠かせない基礎的な設備として、教育課程に寄り添い、子どもたちの人間的な成長を支えていることをあらためて確認したいと思う。
子どもたちはいま、1人1台のタブレット端末を持ち、瞬時に多様な情報を収集できる社会に生きている。そのようなネット時代に求められる新しい力は情報活用能力であり、その土台となるのが読書力である。
学校図書館は、子どもが読書を楽しみ、主体的な「学びの方法」を身につけるための最良の場所であり、生きる力を育む知の空間である。「読書」「学習」「探究」という多機能を持つ学校図書館が、その使命を果たすには、いつでもそこにいて、図書資料と子どもをつなぎ、各教科等の授業を支援する学校司書の充分な配置が必須の条件となる。
2019年には読書バリアフリー法が制定され、学校図書館は、また一つ新たに意義深い課題を抱えることになった。この法律の具現化にあたっては、活字文化の振興や読書活動推進にかかわる既存の関連法や諸活動を、読書バリアフリー法の理念に照らして整備・振興していく必要がある。
社会全体の急激なデジタル化の中で、学校図書館は読書力や言語力、課題解決能力を育てる観点から子どもの成長段階に応じた図書資料、新聞資料、デジタル資料、バリアフリー資料を整備しなければならない。
私たちは学校図書館法公布70年を新たな契機に、これからの学校図書館が生涯にわたって、自ら学び続ける市民の育成に寄与することを期待し、心から応援するものである。
2023年1月12日 アピール賛同者一同
アピール賛同者一覧
浅田次郎(作家)
あさのあつこ(作家)
阿刀田高(作家)
猪木武徳(大阪大学名誉教授)
今村翔吾(作家)
内館牧子(作家)
内田伸子(お茶の水女子大学名誉教授)
宇野和博(筑波大学附属視覚特別支援学校教諭)
長田渚左(ノンフィクション作家)
小野寺優(日本書籍出版協会理事長)
片山善博(大正大学教授)
川島隆太(東北大学教授)
河村建夫(文字・活字文化推進機構会長)
隈 研吾(建築家)
酒井邦嘉(東京大学大学院教授)
佐藤 学(東京大学名誉教授)
鈴木みゆき(國學院大學教授)
鈴木善久(伊藤忠記念財団理事長)
銭谷眞美(新国立劇場運営財団理事長)
俵 万智(歌人)
寺 昌男(東京大学名誉教授)
中江有里(女優、作家)
野口武悟(専修大学教授)
坂東眞理子(昭和女子大学総長・理事長)
肥田美代子(童話作家)
堀川照代(放送大学客員教授)
丸山昌宏(日本新聞協会会長)
宮西達也(絵本作家)
村山由佳(作家)
柳田邦男(ノンフィクション作家)
敬称略・50音順・2023年1月12日