「ジュニア記者」支援で優秀賞 横浜市のNPO法人「ミニシティ・プラス」
自分たちで作った新聞を手にする「ミニシティ・プラス」のジュニア記者のメンバー
この記事は、教育ネットワーク参加団体「パナソニック教育財団」に関連するニュースです
横浜市内の小中高生37人が取材・編集し、タブロイド判新聞を発行する活動を支援するNPO法人「ミニシティ・プラス」が2月、「子どもたちの"こころを育む活動"」(パナソニック教育財団主催)の優秀賞を受賞した。同法人の岩室晶子理事は「取材を通して、子供たちが自分たちの街を好きになってくれることがうれしい。少しでも子供たちの成長につながってくれたら」と話している。
活動は、2009年に同市都筑区の15周年記念事業としてスタート。地元の大学などの協力も得て、自分たちが暮らす地域の話題や企業などを取材し、毎年2月をめどに、タブロイド判の新聞「つづきジュニアタイムズ」として、約2万5000部を区内の全小中学校などに配布している。18年からはみなとみらい地区向けの「みなとみらいJr.(ジュニア)タイムズ」の発行も始まった。同地区版で活動する角田和瑛(かずあき)さん(中3)は「どうなっているんだろう、と自然と考えるようになり、探究心が強くなった」と話す。
こうした「ジュニア記者」が毎年4月から「編集会議」を重ね、取り上げたい話題や取材先を絞り込んでいく。コロナ下では、オンラインも活用して活動を続けた。
林愛凜(あいり)さん(小6)は東京五輪で英国代表の練習会場になった横浜国際プールの取材や、佐藤友也・都筑区長のインタビューなどを担当した。「何を聞けばいいかわからない時もあったけれど、話を聞くたびに、書きたいネタがどんどん増えていくのが楽しかった」と活動を振り返る。
新聞記者になったOBや、大学生になって指導役となるケースもあり、地域や世代を超えた広がりを見せている。新聞の印刷には横浜読売会も協力しており、地元の「YC港北NTつづき」の寺越満所長(40)は「街を一緒に盛り上げていってほしい」と期待を込めている。
「こころを育む活動」の大賞には、自宅の庭に建てたカフェで様々な子供たちが交流する「Ponte(ポンテ)とやま」(富山県)の取り組みが選ばれた。