
あなたの「学び」をもっと楽しく。そんな思いを込めたコラムをお届けします。本の「しおり」のように、休憩中やスキマ時間にそっと挟んでください。
学校で金融教育じゃなく「お金の話」をするということNEW
入社してから営業畑を歩んできた。どうしても「収益出さなきゃ」という言葉が口をついて出る癖がある。あらゆる事業が継続していくためには、やっぱりお金のことを考えるのは大事なことでもある。
さて、これまで「教育」の現場では、お金の話をするのは不謹慎だという空気が少なからずあったように思う。もちろん品のない営業活動とか、利益優先のお金儲けはお断りだが、民間企業と学校が交流し、そこから発生するビジネスがもっとあってもいいんじゃないかと思う。
秋は中学校、高等学校で文化祭が多く開催される時期。以前私が取材したある私立の学校では、学園祭の会場に人気の「キッチンカー」を導入して飲食を任せ、学園祭を盛り上げよう!と実行委員会の生徒が決めたところがあった。
生徒たちは初めて学校の先生以外の大人たちと「交渉」することになる。大人たちが利益を上げるために何を考えているのか。生徒たちは学校の外の大人の真剣な考えに、生まれて初めて触れる。もしこの数日間の体験が自分の将来を考える機会になるとしたら。起業に関心を持つ生徒が出るかもしれない。大学で経営学を学びたいと思うかもしれない。はたまた「ものを買いたくなる」心理について研究を深めたいという生徒が出てくるかもしれない。そういう場が学校に一時的にでも用意されるだけで、さまざまな可能性が広がってくるのではないか。秋はそんなことを思う季節でもある。
藤井 賢(2026年10月5日)
日直の「お仕事」
ニュースの森──。そう題したコーナーが、東京都日の出町の町立大久野中学校の職員室前に設けられていた。
読売新聞を含む各紙が読みやすいように置かれ、一定期間分がまとめてとじられている。先生に尋ねると、各クラスの日直を務める生徒は、担当する新聞から気になった記事を探し出し、付せんを貼り、帰りの会で発表するそうだ。活字離れや新聞離れが指摘されて久しい折、紙を使った学びに、思わず顔がほころんだ。
同校には、主権者教育の「出前授業」で訪れた。生徒たちは紙の新聞に慣れ親しんでいるからだろうか、外部講師の話をみなまじめに聞いてくれた。1票の重要性を知ってもらうため、票が同数だったために法廷でまで争われることになった茨城県神栖市長選の事例を紹介したところ、実は直前の授業で社会科の先生がこの記事を取り上げてくれていたそうだ。狙ったわけではないが、先生とも歩調が合ったようでうれしい。
読売新聞は、紙の新聞はもちろんのこと、様々な取り組みで子どもたちの学びを支え、先生にもゆとりを持ってもらおうと注力している。
孤掌難鳴。片方の手のひらだけで音は鳴らない。新聞を受け止めてくれる学びの現場がまだあることに、張り合いを感じる。
米川丈士(2026年10月1日)
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