ガンプラで学んだリサイクル

チャレンジ校が授業で活用

 読売新聞教育ネットワークが展開する「SDGs@スクール チャレンジ」では、趣旨に賛同した「パートナー企業」とも協力しながら、参加校を対象にSDGsの学びに役立つ教材を提供しています。2021年度は、人気アニメ「機動戦士ガンダム」のプラモデル(ガンプラ)を製造している「BANDAI SPIRITS」の協力で、同社が取り組む「ガンプラリサイクルプロジェクト」の関連プログラムを提供しました。ガンプラの部品がつながっていたプラスチックの枠(ランナー)は、そのままではごみになってしまいます。このランナーを回収して再利用したリサイクル材で作ったプラモデル「エコプラ」の体験キットと、特別冊子を無料配布し、使用済みランナーの回収を行うのが、同プログラムの内容です。楽しみながらリサイクルを体験できる授業教材として「エコプラ」を活用した、チャレンジ校のリポートを紹介します。(写真は各校から提供いただきました)

 

 

神戸市立渚中学校(原田大先生、3年生106人)

 社会科・公民の「貧困解消と環境保全」の時間に活用しました。卒業した3年生は、1年生の時からSDGs活動に取り組み、地域の車いすルートマップづくりなどを行ってきました。比較的リサイクル活動についても知識があるのですが、なぜプラモデルがリサイクルにつながるのか疑問を持つ生徒もいました。それでも、説明を聞くと納得した様子で、周囲の生徒とも協力しながらプラモづくりに取り組んでいました。「少しのことでも環境の役に立つとわかった」「再生されたものだから質が落ちるかと思ったけど、普通のものと変わらないことに驚いた」など、生徒の反応も様々でした。これまでとは異なる視点からSDGsやリサイクルを考える、良い授業になりました。

 

佐賀県唐津市立湊中学校(光武正夫教頭先生、2年生25人、1年生16人)

 2年生は理科、1年生は社会の時間に活用しました。1年生は、21年続く海の漂着物調査に取り組んでいます。2021年の12月には、NPOの方を講師に招き、ペットボトルのキャップ片を溶かしてコースターに再生する体験もしました。私自身も中学3年生からガンダムが大好きで、「ガンプラを作る授業を通して、リサイクルやSDGsや企業の社会貢献活動を体験的に一緒に学ぶ。こんなにうれしいことはない」と思い参加しました。プラモデルは未経験者が7割。最初は何をどうすればいいのか、戸惑っていましたが、やりだしたら、無言で集中して作業していました。平らなものが立体的なパーツに組み上げっていくことは楽しかったようで、苦労している生徒には、ガンプラの経験者が教える姿も見られました。生徒からは、「楽しく作れて、環境にもやさしくて、いい活動だと思った」「こらからもいろんなプラスチックをリサイクルしようと思った」などの感想がありました。リサイクルについて体験的に学ぶことができました。

 

 ガンダムリサイクルプロジェクトの詳細はこちら

 

(2022年3月31日 09:29)
TOP