2030 SDGsチャレンジ

古来の技術で土壌改善 青森・名久井農高(国連大学サステイナビリティ高等研究所長賞)

アフリカでも応用可能

 国連が提唱する「持続可能な開発目標」(SDGs)への貢献を目指す高校生を応援する2020年の「第5回全国ユース環境活動発表大会」(環境省など主催、読売新聞社後援)で、国連大学サステイナビリティ高等研究所長賞に輝いたのは、青森県南部町の県立名久井農業高校・環境班。日本古来の土木技術を活用した乾燥地の土壌改善の取り組みで入賞した。

 

 同班では、昨年4月頃から研究を開始。西アフリカなどの乾燥地で食糧難や土壌流出による川の氾濫が発生していることを受けて、集水技術の向上を目指した。注目したのは、日本古来の土木技術「三和土(たたき)技術」。西アフリカには、斜面の畑に穴をあけて、中に種をまき、掘った土を谷側に盛って雨水をせき止めて穴に集める「ザイ」という農業技術がある。土壌がスコールで流出して川の氾濫を起こすことから、より耐久性の高い三和土加工を施したザイを考案した。

 

 班員の宮木琢愛さん(2年)は「三和土は最後にたたいて固める。このたたく強さを調整するのが難しかった」と話した。田村侑晟さん(2年)は「5人で土を運ぶのが大変だった」と振り返った。

 

 宮木さんは「今後は現地で実験し、どうやって西アフリカの人々に技術を伝えるかを考えていきたい」と話していた。


(2020年2月20日 09:00)
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