ヨミダス歴史館を使ってゼミ発表 高千穂大学

読売新聞の記事を示しながら説明する西山ゼミの学生ら

 高千穂大学(東京都杉並区)で11月2日、秋の恒例「ゼミ発表会」が始まった。同大のゼミ重視の教育方針で6日までの5日間、109のグループが所属する各ゼミナールの研究の成果を披露した。

 

 開会式の後、一番に発表したのは、同大商学部の西山第一ゼミ(西山徹二商学部教授)に所属する2年生(天津班)のメンバー6人。テーマは「なぜ企業買収が起こるのか?」だ。講評する先生や先輩学生の厳しい視線を浴びる中での発表は真剣そのもの。企業買収の例に挙げたのは、米大手投資ファンドによるキノコ生産大手の雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)の株式公開買い付け(TOB)。メンバーはまず、この買収劇の概要を説明するために読売新聞の今年2月25日付新潟県版に掲載された「雪国まいたけへTOB開始 米ファンド、全株式取得目指す」の記事を挙げた。

 

 記事を基に企業買収には株主取得とTOBの二つがあることを説明した上で、さらにTOBについて踏み込んだ説明を行った。TOBには友好的なものと敵対的なものがありことや、敵対的TOBに対しての防衛策についても紹介。25分ほどの発表だったが、買収の経緯や推定される買収金額、企業買収の問題点などの考察も行った。発表に対して会場からは、「企業としての今後はどうなるのか」「消費者にとってこの買収はよかったのか」などの質問や「買収した投資ファンドはこの後どうするのかについても考えていってほしい」との講評があった。

 

 ゼミの前澤正人さん(19)は「西山先生から雪国まいたけのケースを例にしてはどうかと言われ、図書館で新聞を調べようとしたところ、ヨミダス歴史館があることを知り、記事検索を利用した」と話した。西山教授は「今の学生は調べ物というとインターネットになるが結局、新聞にたどり着く。経済の記事であっても専門紙より一般紙の記事のほうが読みやすいので薦めた」と指導方法について明かした。

(2015年11月11日 14:10)
TOP