高校2年生を対象としたゼミ「芸術史のミステリー探訪」が11月13日、千葉県市川市の市川中学校・高等学校で開かれ、「スクールヨミダス」など図書館内で利用できる様々なデータべースが紹介された。
このゼミは、同校が今年から導入した少人数制の講座「リベラルアーツゼミ」の一つ。毎週金曜午後の2時間、8つの講座が6回連続で開かれ、一クラス10人から15人程度の生徒が参加している。
「芸術史のミステリー探訪」は、音楽科の鈴木省二教諭が、名画や名曲など様々な芸術分野を楽しく学ぶことで生徒たちのプレゼンテーション・スキルを高めようと企画。同僚の美術科教諭や図書館スタッフらを講師に招いたという。
2回目となるこの日は学内の第三教育センター(図書館)のコンピューターコーナーで、司書の真島絵里子さんが、一つのテーマに関して、資料や情報を探すための手順を教えた。
真島さんは、信頼性の高い情報を探すコツとして、有料のインターネット辞書「ジャパンナレッジ」で言葉の意味を調べたうえで、図書館内の所蔵本データベースを使えば、より効率的に本の情報にたどりつけることを紹介。さらに、国立国会図書館の蔵書検索システムで雑誌記事の目録を検索してから同校図書館で保存している「美術手帖」や「芸術新潮」などの雑誌バックナンバーを借りれば、絵画や画家についてより詳しい情報を得られることにも触れた。
そのうえで、読売新聞が提供する「スクールヨミダス」には、1986年9月以降から前日分まで、読売新聞に掲載された記事が、簡単に検索・閲覧できるほか、読売新聞が発行する英字紙「ジャパン・ニューズ」(旧名デイリー・ヨミウリ)についても記事が検索できることを紹介。早速、検索してみることに。
生徒たちは、「ダダイズム」「印象主義」「モネ」「アール・ヌーボー」などそれぞれに用意してきたキーワードで記事を検索。モネ展やゴッホ展など、展覧会関係の記事にたどりつき、カラー紙面はカラーのまま切り抜き記事が出てくることなどを体験した。
生徒からは「何百件もの記事が出てきた場合、一つ一つを読むのは大変」という質問も。真島さんは「検索したい言葉を追加していくことで、検索条件は絞り込めます」と答え、「データベースを利用すれば出典の明らかな、信頼性の高い情報を集めることができます。読み込んで自分の考え方を深めていくことが大切」と話していた。
授業を企画した鈴木教諭は、「今日教わったことは、とても大切なこと。図書館をどんどん活用して、知識を深められるようになってほしい」と話す。
この授業では、次回以降、それぞれの生徒が自分の好きな画家について調べ、好きになった理由などを発表しあうという。