丸紅「高校生のための『総合商社』講座」三浦学苑高

「丸紅が取り扱うプラスチックからお弁当の容器もできているのです」と話す高橋さん

 三浦学苑高校(神奈川県横須賀市)は6月8日、丸紅の本社(東京・大手町)を訪れ、特別授業「高校生のための『総合商社』講座」を受け、商社のしくみや仕事の内容について学んだ。

 

 会社訪問したのは、高校1年の男女24人。講師は、丸紅広報部CSR・地球環境室頓所(とんしょ)明彦室長と高橋景子さんの二人が務めた。

 

 高橋さんは、1858年に繊維の専門商社として創業した会社の成り立ちを紹介した後、「現在はモノを輸出入するだけでなく、全世界で様々なプロジェクトを行っています」と話した。

 丸紅が関与する身近な商品として、穀物、カップラーメン、コーヒー豆、お菓子、タイヤ、漫画雑誌などのサンプルを披露。さらに、1機数十億円以上もする航空機のリース、発電所や路面電車システムの建設・運営、風力や太陽光を使った再生可能エネルギーの開発なども手がけていると説明した。「モノやエネルギーを長く安定的に届け、世界の国々の発展や生活を支えています。社会に貢献することは人の未来に貢献することです」という社員の言葉を高橋さんは強調した。

 

 頓所さんは、これからのCSR(企業の社会的な責任)として、水資源や食糧、エネルギー、貧困、労働といった諸問題の解決に事業を通じて取り組んでいると説明。具体例として、アフリカのアンゴラに繊維工場を造り、現地の雇用を創出していると話した。

 また、頓所さんは、フィンランドで紙の営業に関わった駐在経験をスライドを交えて紹介。現地での仕事について、「自分ひとりでやろうとせず、地元のスタッフを信頼してやってもらうことが大事。これは会社生活の糧になりました」と振り返った。

 生徒から「海外に出るために何をしたらいいですか」と質問を受けると、頓所さんは「高校や大学で外国人と話す機会があれば、自分の価値観以外のこともわかって面白い。いろんなものに対して興味を持って取り組むといい」とアドバイスした。

 

企業の社会的責任について説明する頓所室長

 生徒は最後に役員フロアに移動し、丸紅が誇る絵画コレクションを鑑賞した。ルネサンスの巨匠、サンドロ・ボッティチェリの「美しきシモネッタの肖像」は、代表作「ビーナスの誕生」のモデルとされる女性を描いた肖像画で、日本で所蔵される唯一のボッティチェリ作品と言われる。15世紀後半の高貴な女性像に接し、生徒たちはしばし癒されていた。

 

 生徒を引率した野桜慎二・学習進路指導部長は「企業を訪問して、その空気を直接感じること、そのことによって高校生たちが気づくこと、これらのことが生徒たちが成長する上で、とても大切なことではないかと感じています」と話している。

 


丸紅の教育プログラム

>>丸紅「中学生・高校生のための『総合商社』講座」

(2015年6月18日 09:30)
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