[3]先輩のありがたさ
中学校で部に入ると、先輩ができる。高校の部活でも、先輩の存在は大きい。たった1年早く生まれただけなのに、練習や試合でてきぱきと指示を出し、部員みんなをまとめたりして、先輩は偉大だ。
「先輩」と呼びかけられて返すとき左の頰がぎこちなくなる
法橋ひらく『それはとても速くて永い』
俺は、部の顧問になったら、どんなに忙しくても1日に1回は練習を見に行くようにしている。先輩後輩の間で、おかしな力関係が生まれていないか、大人として注意する必要があると思うからだ。だが、わが桜丘高校では、どの部でも先輩後輩の関係は、ほのぼのとしている。責任感のある部長や副部長もいれば、涙もろい人情派の先輩もいる。ありがたい。
教員の世界にも心強い先輩がいる。大きな大人になった俺だが、進路指導室のメンバーの中では、まだ新米だ。
進路主任のクララ先生には、「徹子の部屋」の徹子みたいな人間関係力がある。生徒がどんな相談を持ちかけても、真剣に聞き、熱く話し、励ましとともに送り出してくれる。2年の副主任のマヨネ先生は、学校でいちばんおしゃれだ。しかも毎日、周りの先生たちのいいところを見つけて、さりげなく褒めてくれる。情報科のシノハラ先生は、パソコンの不調も、仕事の屈託も解決してくれる。
この前、カバサワ先生に「ちばさとによる肩もみ券」を10枚プレゼントした。俺がうまく進められなかった仕事を、いつもカバサワ先生は代わりにやってくれる。鶴の恩返しではないが、ちばさとの恩返しとして、カバサワ先生の肩をもんで差し上げようと思う。
教員の先輩も、偉大で、ほのぼのとしていて、とてもいい。
後輩のカラータイマー点滅すあとはわたしがやるからやるから
本多真弓『猫は踏まずに』
千葉 聡 @CHIBASATO
1968年生まれ。横浜市立桜丘高校教諭。歌人。生徒たちから「ちばさと」と呼ばれている。著書に『飛び跳ねる教室』『短歌は最強アイテム』など。
桜丘では3学期が始まりました。もうすぐセンター試験。みんな、風邪やインフルエンザに気をつけて!
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