15.「線」でつながった友人
昭和女子大学1年 石橋春華
私は、好きなアーティストについて語り合うSNSで、1歳年上の女性と知り合った。
彼女は、そのアーティストの絵を、輪郭だけの線で描いてSNSで公開している。線しか使わないのに、雰囲気や表情がはっきり読み取れることに驚いた。
私は彼女の絵にひかれ、「素敵なイラストですね！」とメッセージを送信した。
しばらくして、「ありがとうございます！ とってもうれしいです！」との返事が送られてきた。
これをきっかけに、私と彼女は仲が良くなった。アーティストの話だけでなく、その日に食べたものや着た服、購入した化粧品など、互いの生活についても共有するようになった。
やがて、私は、彼女に直接会って話してみたいと思った。ネットで知り合った相手と対面するのは、勇気のいることだが、それまでのやりとりで信頼できる人だと感じた。
昨年春、アーティストのポスターが展示されたCDショップで待ち合わせ、彼女と初めて会った。
気さくで、ほんわかした雰囲気を持つ人で、そんな人柄が、線で描く絵にも表れていると思った。
私は彼女の絵を参考にしながら、自分でも線画を描くようになった。
彼女とは今でも時々、買い物に行ったり、お茶をしたりしている。私は彼女のアドバイスも受けながら、二人で撮影した写真をもとに線画を描いた。
線画でつながった友人を大切にしたいと思う。
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