コロナ禍の就活、聞いてみた~イベント「それ、人事に聞いてみよう」リポート

参加者にはキャンパススコープも配られた

 

 新型コロナウイルスの流行で、私たちの大学生活は大きく変わりました。就活が本格化した3年生も、インターンシップや会社説明会は、多くがオンラインのまま。「就活、どうすればいいの?」「コロナ禍の働き方は?」多くの就活生が感じる疑問を、直接企業の人事の方にぶつけられる、そんなイベントが10月17日、読売新聞東京本社で行われました。まだ2年生の私も、ちょっとのぞいて来ました。

(実践女子大学・遠藤花連)

 

変わる働き方

 「それ、人事に聞いてみよう」と題して行われたイベントは、その名の通り、就活生の疑問を直接会場でぶつけられることが特徴です。住友林業、東急エージェンシー、読売新聞社の人事担当者が参加。目玉は、千葉商科大学准教授の常見陽平さんの司会で行われたパネルディスカッションです。

 まずは、コロナ禍での働き方。住宅営業部門では、⼀時は売り上げが大きく減少し、「強い危機感を感じた」と話したのは、住友林業の担当者です。 緊急事態宣言により住宅展⽰場への来場も困難になりましたが、WEBを活用した営業活動に注力し、WEBコンテンツを充実させたことで7⽉以降、緊急事態宣⾔の減少分を取り戻すことができたそうです。

 「人との距離」がテーマとなったコロナ禍の社会。マスコミ業界にとっても大きな試練だったようです。読売新聞の担当者は、「オンライン会見になり、記者は取材で本音を聞けているのかつかみづらくなった」とやり辛さを打ち明けました。グループの読売巨⼈軍なども無観客が続き打撃を受けたそうですが、新しい応援スタイルに対応したグッズを作るなど、チャレンジしながら収益につなげているそうです。

 ピンチを逆手に取る、という姿勢は常に新しいことに挑戦しているマスコミ業界ならでは、と感じました。

 

「求める人材」は変わらない

 では、採用活動に変化はあるのでしょうか。東急エージェンシー、読売新聞の担当者は「オフライン・オンライン問わず、実際に話してみて伝わってくるものを大切にしたい」と話します。住友林業では「面接は基本的にオンライン」とのことですが、学生同士で情報や意見を交流できるようなグループワークを実施しているそうです。

 採用活動に細かな違いはあっても、3者とも、魅力を感じるのは「新しい価値を創造できる人」。これはコロナ禍でも変わらないようです。そのためには、「いろいろなことに関心を持っていること、自分の価値観を言語化できることが重要」と口をそろえます。

 パネルディスカッションの司会を担当した常見さんも、「やりたいことが見つからなくてもいい。自分に向いていること、出来ることから探してみよう」と訴えました。私たち学生にも、答えを求めるだけでなく、まず、自分の頭で考えることが求められていると感じました。パネルディスカッションに先立って行われた講座「新聞の読み方」では、読売新聞の現役の記者の方が「就活は答えのない世界。自分なりの答えを見つける判断力を身に着けるためにも、大量の情報の中から必要なことを選び取る眼力が重要」と話していました。2年生の私にとって、就活はまだ先のことのようにも思えますが、不安定な状況が続く今だからこそ、日々情報への感度を上げて過ごしたいと思います。

パネルディスカッションでは人事担当者の「本音」を聞くことができた
(2020年11月25日 10:00)
TOP