この記事は、教育ネットワーク参加団体「杏林大学」からの報告です
8月9日(金)三鷹市立第一中学校の写真部の生徒をお招きし、アナログ写真の撮影と現像を体験するイベント「撮って現像してアナログ白黒写真を作る」を実施しました。
このイベントは、診療放射線技術学科の山本智朗先生が企画・運営し、大学院の保健学研究科に在籍する院生もティーチングアシスタントとして参加しました。
中学生は実際にアナログカメラに触れながら、その扱い方と現像方法を学びました。デジタルカメラしか使ったことの無い中学生たちは、アナログカメラの精密さに興味津々。フィルムの巻き上げやピントの合わせ方などを、オリジナルテキストをもとに学んでいきました。
カメラの操作と撮影方法を一通り学んだあとは、校舎の外に出て各自で自由撮影を行いました。キャンパス内を散策しながらお互いを撮影しあうなど、夏の日差しに負けず元気に活動!
昼食を終え、いよいよ難所の現像作業。一切の光を遮断した「ダークバッグ」の中で、指先を頼りに作業する中学生たちは真剣そのもの。現像タンクに薬液を入れたりフィルムを水洗いして乾燥させる工程では、化学の知識を実際に体験できる、貴重な「実習の場」ともなりました。
今回撮影した写真とネガは、中学生たちのお土産です。この経験が楽しい夏の思い出の1つとなるだけでなく、古い技術に触れることで物事を見直すきっかけになったり、ものづくりの楽しさを味わう機会としても役立てたらと思います。
★山本先生からのコメント
アナログカメラや手現像処理は初めての経験ということで、最初は戸惑いもあったようですが、直ぐにコツを掴み楽しく行えたと思います。印画紙を現像液に浸し、画像が浮かび上がってくる瞬間には「うわ~っ」と声が出ました。デジタル画像はほとんど全てが自動なので、原理を知る機会がありません。画像形成の基本原理はアナログもデジタルも同じなので、その原理を知ることで、新しい発見があることも体感できたかなと思います。
★ティーチングアシスタントを務めた大学院生のコメント
最近ではアナログカメラを使う機会が減り、今回参加してくれたみなさんもあまり馴染みがないようでした。デジタルカメラで知らないうちに調整されていたことを自分でやらなければいけないのは大変だったと思いますが、同時に写真を撮ることがさらに楽しくなったのではないでしょうか。このイベントを通してアナログ写真の楽しさを伝える手伝いができてよかったです。