医療体験プログラム

先輩たちから

コロナ・チャリティーコンサート 医療体験プログラムOBが企画

本番へ向けて練習中!

スタジオ練習で集まった鍵野さん(右端)らチャリティーコンサートのメンバー8人=写真、鍵野さん提供

 

 新型コロナウイルス感染症の患者の手当てに追われる医療従事者を応援しようと、大阪市立大学医学部1年の有志8人がクラシックのチャリティーコンサートを3月15日に開催する。企画したのはバイオリン担当の鍵野佑登さん(19)で、高校時代に医療体験プログラムに参加。プログラムを経験して他の大学に進学した医学生たちもサポートしている。会場の外に置く募金箱の収益とクラウドファンディングによる支援金は医療物資の購入に充てて大阪府看護協会に寄贈する。無料チケットは全席予約済みだが、コンサートや医療従事者への応援メッセージなどをツイッターで募っている。

 

■クラウドファンディングサイトは>>こちら


 

 「医療従事者がコロナ治療に身をすり減らしているのに、医学生の自分は医療に携わることができずに歯がゆかった」

 こう話す鍵野さんは、一時は音楽大学への進学も考えていた。3歳からバイオリンを始め、2017年に若手音楽家の登竜門「KOBE国際音楽コンクール」優秀賞を受賞。同年、東日本大震災の流木などで作った「TSUNAMI VIOLIN」を弾く演奏会にも招待された。

 医大進学へと舵を切ったのは高校2年だった18年夏。大阪大学心臓血管外科のプログラムに参加し、「命を救う仕事がしたい」と医師を目指すことを決めた。

大阪大学プログラムに参加し、心臓手術を見学する鍵野さん/2018年8月

 大阪市立大学医学部に合格したが、新型コロナウイルス感染拡大で20年4月の入学式は中止、講義もなくなった。

 「だったら実家の兼業農家を手伝おうと、田起こしと草刈りに明け暮れました。5月にオンライン講義が始まったものの、家族以外の人と会わない生活に変わりない。それが辛かった」

 今できることは何かを考え、たどりついたのがチャリティーコンサートだった。コンクール受賞歴や大舞台の経験がある医学部1年の7人に声をかけた。

 コンサート会場は大阪市阿倍野区の区民センター小ホール。国のコロナ感染防止策の指針に従い、観客は収容定員の50%の150人とし、3月8日時点で緊急事態が解除されていなければ無観客開催とする。

 クラウドファンディングの返礼として、感謝のメールと手紙を送るほか、後日、動画投稿サイト「ユーチューブ」でコンサート動画を限定配信する。

 「今の社会はコロナで張りつめている。自粛生活で疲れた気持ちが和らぐ、心に火を灯すようなコンサートを届けたい」と鍵野さん。

 その一方、感染防止策などの不安は尽きず、「全てが初めての挑戦。ツイッターでメッセージをもらえれば励みになるし、紹介もしたい。医療従事者への応援にもつながると思う」と話している。

 プログラムOBも側面支援を始めた。金沢大学、兵庫医科大学、島根大学に進学した医学生たちがコンサートの録音録画や演出、告知で協力しており、8人は講義と試験の合間を縫って練習を重ねているところだ。

 

■「いいね」「応援メッセージ」:Twitter:@IMC35316795

■問い合わせ:IMCmusicA20@gmail.com

 

【主催】IMC(ICHIDAI Medical Concert、大阪市立大学医学部コンサート)※有志8人で作った任意団体

【協賛】大東楽器株式会社 【特別協力】早期医療体験プログラムOB、OG

【後援】大阪市教育委員会、一般社団法人交野新聞社、交野おりひめ大学

(2021年2月19日 10:55)
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