立教大学社会学部で、読売新聞東京本社の吉田清久編集委員が文章の書き方を教える「メディア・ジャーナリズム実習基礎」の2021年度の授業が終了した。この科目は学生が書いた作文を吉田編集委員が添削、講評する演習方式で実施。新型コロナウイルスの感染拡大で4月末にオンライン授業に切り替わると、毎週作文提出が課されるようになったため、受講生からは「力がついた」との声が上がった。
学生が4~7月に取り組んだ作文の課題は「若者と政治」「格差」から「○○に必要なもの」「忘れられないこと」まで、硬軟取り混ぜた計12本。毎週木曜日の授業の終わりに課題が出されると、学生たちは週末などを利用し、800字以内で書いて提出した。吉田編集委員は文章ソフトの校閲機能を使って添削。授業当日は、パソコンの画面に添削した一人一人の文章を映し出して、どう直したら分かりやすい文章になるかをアドバイスし、学生たちに考えさせた。
また、毎回、過去1週間以内に読売新聞に載った記事を5本程度紹介し、ニュースの背景や着目するべき点などを解説した。政治、経済、社会面をはじめ、時には広告も取り上げた。
最終回の授業では、「書くことは考えることであり、自己の成長につながる。社会人として活躍するためにも必要なスキルだ。それには新聞は最高の教科書であり、社説やコラムの文章構成を研究するといい」と、授業後も書き続けることの大切さを訴えた。
学生たちからは「文章を書くのが好きになった。構成や誰に何を伝えるか考えることの大切さが分かった」「最初は大変だったが、段々慣れてすらすらと書けるようになった」「新聞記事を解説してもらい、社会で何が起きているか、背景まで分かってとても勉強になった」などの感想が聞かれた。
吉田編集委員は「添削する負担は重かったが、その分みんな上達してくれたと思う。客観的、俯瞰(ふかん)的に社会を見る力を養っていってほしい」と話している。