慶大リレー講義 記者が見た現代史を学ぶ意義とは?

 慶応義塾大学で、読売新聞記者による「冷戦後30年の現代史」をテーマにしたリレー講義が始まった。講師を務めるのは政治、経済、国際、社会など各分野の第一線で活躍してきた記者たちで、授業は2022年1月まで続く予定だ。


 4月13日の初回授業では、経済部出身で読売新聞東京本社調査研究本部の主任研究員を務める林田晃雄記者が導入講義を行い、マスコミに興味がある学生ら約110人が受講した。林田記者は冷戦終結から現在まで約30年間の世界と日本の歩みの概略を説明。その上で、「記者が見た現代史」を学ぶ意義について、「勝者の都合などで歴史にはウソが混じっている。敗者や立場の違う人たちの証言を聞いてきた記者の話は有益なはずだ。取材した者でないと分からない時代の空気というものもある。ジャーナリストは歴史の目撃者だが、書いた記事で政策が変わることもある。自身が体験してきたことを授業で話していきたい」と語った。


 リレー講義は、慶大メディア・コミュニケーション研究所が設置する読売新聞東京本社の寄付講座「現代ジャーナリズム総論」として実施。新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、オンデマンド動画配信方式のオンライン授業で行われている。

(2021年4月19日 12:15)
TOP