全国高校ビブリオバトル代表、和歌山で決定...中学も
高校生の部を制した林さん
「中高生読書まつり・ビブリオバトル和歌山県大会」(県教委主催)が12月15日、和歌山市の県立図書館で開かれ、参加者たちが本の魅力を熱心に紹介した。中学生の部では湯浅町立湯浅中3年の前田百愛(もあ)さん(15)、高校生の部では近畿大付属和歌山高2年の林愛巳(まなみ)さん(17)がそれぞれ優勝した。2人は和歌山県代表として、東京都などで行われる全国の決勝大会に出場する。
中学、前田百愛さん「有罪、とAIは告げた」を紹介
ビブリオバトルは、参加者が本の魅力や内容を5分の持ち時間で説明し、質疑応答をする。全ての説明が終わった後に聴衆が一番面白そうだと思った本に投票し、最多得票の本を「チャンプ本」とする。この日は地域大会を勝ち上がった中高生30人が発表した。
前田さんは、AI(人工知能)が裁判官として罪を裁けるかを問うミステリー小説「有罪、とAIは告げた」(中山七里著、小学館)を選んだ。「AIを活用していくべきだという風潮が強まってきた今だからこそ、(本書は)私たちに大切なことを教えてくれる」と訴えた。優勝が決まると、前田さんは「社会的な話題をテーマとした本を選ぶことができたのがよかった。全国の舞台でも、頑張る」と意気込んだ。
高校、林愛巳さん「カフェどんぐりで幸せ朝ごはん」を語る
林さんは、短編集「カフェどんぐりで幸せ朝ごはん」(栗栖ひよ子著、角川文庫)を紹介。様々な背景を抱える客にオーダーメイドの朝食を作り、その中で悩みを聞いたり、朝食にまつわる小話をしたりするという物語だ。「やり取りで、自分の偏った考えや思い込みに気づかせてくれる」と発表し、優勝を射止めた。林さんは「前年は県大会で敗れており、『今年こそは』との思いで挑戦した。伝えたいことが説明できた」と語った。
中学生の決勝大会は来年3月9日に立命館大衣笠キャンパス(京都市北区)で、高校生の決勝大会は来年1月26日によみうり大手町ホール(東京都千代田区)でそれぞれ開催される。