関武瑠さん、内田美波さん、市川結唯さん、榎本幸喜さんに優秀賞...全国高校ビブリオバトル
東京都港区の高輪ゲートウェイシティで2月8日に開かれた「第12回全国高校ビブリオバトル」(活字文化推進会議主催、読売新聞社主管、JR東日本特別協力)で、4人のバトラーが優秀賞を受賞した。
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千葉の関武瑠さん、小説「人間みたいに生きている」紹介
千葉県代表の筑波大学付属聴覚特別支援学校2年・関武瑠さん(17)は小説「人間みたいに生きている」(佐原ひかり著、朝日新聞出版)を取り上げた。食べることを苦しみと感じる女子高校生が主人公の物語だ。「大好きなチョコミントアイスを食べると疲れが吹き飛ぶ私とは真逆の感性。自分が楽しいと思うことが、ほかの誰かにとっては苦しみや重荷になっているかもしれないと、読み進むうちに気付かされた」。決勝では700人の観客を前に、手話をしながら発表した。
大会後は、「95点の出来。緊張したけど、言いたいことをしっかり伝えられた」と胸を張った。ゲストの作家・宮部みゆきさんから「落ち着きがある発表で、説得力を感じた」と声をかけられ、会心の笑みを浮かべた。
岐阜の内田美波さん、ミステリー小説「噂」語る
岐阜県代表の岐阜総合学園高校2年・内田美波さん(17)はミステリー小説「噂(うわさ)」(荻原浩著、新潮社)を紹介した。2年前に出会った愛読書だ。女子高校生の間で広がったうわさ話が殺人事件に発展し、その真相を刑事が追う筋立てで「最後の1行には『えっ』と声が出る」という。「ただ、最後の1行を先に読んでしまっても面白い。そこが普通のどんでん返し小説とは違う」。テンポよく快活に語り、700人の観客を楽しませた。
先天性疾患をもつ内田さんは、車いすでスロープから決勝のステージに上がった。「自由自在には体を動かせない自分の世界を、読書が広げてくれている」。高校では放送部に所属、ラジオの語り手になる日を夢みる。大会後は「たくさんの人に好きな本のことを伝えた今日の経験を、将来に生かしたい」と目を輝かせた。
愛知の市川結唯さん、ミステリー小説「一次元の挿し木」紹介
愛知県代表の県立瑞陵高校2年、市川結唯さん(17)はミステリー小説「一次元の挿し木」(松下龍之介著、宝島社)を紹介した。主人公は、大学院で遺伝子を学ぶ若い男性。4年前に失踪した妹のDNAが、ヒマラヤ山脈で見つかった200年前の人骨と全く同じだったことに始まって、周囲で殺人や盗難など不可解な事柄が次々起きる。「なぜDNAが一致したのか。真相を突き止めることができるのか。圧倒的な読みやすさで、読む人をぐいぐい引きこみます」と、観客700人を前にテンポよく語った。
本を手に観客に見えるように示し、「すべてが伏線で、題名も表紙のアジサイも内容に関係していて、感情を強くゆさぶるラストへつながります」と本の魅力を伝えた。
1年の時は県代表になれず、全国大会出場を目標にした。「話し始めたら楽しく自分らしく話すことができた」と笑顔で語った。
和歌山の榎本幸喜さん、法廷ミステリー「ゴリラ裁判の日」語る
和歌山県代表の近畿大学付属新宮高校1年、榎本幸喜さん(16)は法廷ミステリー「ゴリラ裁判の日」(須藤古都離著、講談社)を紹介した。知能が高くて人間と言葉で会話できる雌ゴリラが、夫を銃殺した動物園を訴えるストーリー。冒頭で人間の夫婦に起きた事件と仮定して「妻の怒りへ共感できる、そう思いませんか」と約700人の観客に問いかけた。
「動物や人間の命の重みや、すぐそこで待っているかもしれない新しい社会について考えさせられる。大胆な大どんでん返しが待っています。2回目の裁判の判決を、ご自身の目で肌で体で全身で受け止めていただきたいです」と語った。
ビブリオバトルを始めたのは中学に入ってから。4回目の挑戦で全国大会の出場権を得て、大会の4日前まで内容を練り上げた。「決勝では間のおき方が思う通りにできなかった。来年また頑張りたい」と次の挑戦を約束した。
全国高校ビブリオバトル
高校生たちがお気に入りの本を5分間で紹介し、聴衆が読みたくなった本に投票する書評合戦。大会には、47都道府県大会と読売中高生新聞大会を勝ち抜いた代表計49人が出場。8組に分かれて行われた予選の各組首位が決勝に進んだ。決勝では最多得票がグランドチャンプ本(優勝)、2位が準グランドチャンプ本(準優勝)に輝き、3位以下からゲスト特別賞とJR東日本特別賞が選ばれた。ほか4人の決勝進出者に優秀賞が贈られた。
※この事業は、一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)の共通目的基金の助成を受けて実施されました。




