全国高校ビブリオバトル代表が三重で決定、中学も...中高とも各地での予選完了

高校生大会で優勝した藤井さん

 中高生がお薦めの本を紹介し、聴衆が読みたくなった本に投票する「ビブリオバトル三重県大会」(県教育委員会主催、活字文化推進会議など後援)が12月27日、津市の三重県津庁舎で開かれた。中高生25人が、身ぶり手ぶりを交えながら本の魅力を熱弁。高校生大会では県立津高の藤井春奈さん(1年)が、中学生大会は四日市市立塩浜中の大畑小春さん(2年)が優勝した。

 

高校、藤井春奈さん「本屋さんのダイアナ」を紹介

 藤井さんは、2025年1月26日によみうり大手町ホール(東京都千代田区)で開かれる全国高校ビブリオバトル決勝大会に、大畑さんは3月9日に立命館大学衣笠キャンパス(京都市北区)で開催される全国中学ビブリオバトル決勝大会に出場する。

 

 藤井さんは境遇の異なる少女2人が試練を乗り越え成長する小説「本屋さんのダイアナ」(柚木麻子著)を紹介。漢字で「大穴」と書く自分の名前が大嫌いだった主人公、矢島ダイアナの話で笑いを誘ったあと、作品の中で好きな一節を紹介。発表後、「勝つための本ではなく、好きな本を紹介して勝てたことがうれしい」と話した。藤井さんは2022年の中学生大会でも優勝し、2度目の全国大会に出場となった。「全国の舞台でも、紹介する本を読みたいなと感じてもらえるような発表にできれば」と意気込んだ。

 

中学、大畑小春さん「ライオンのおやつ」を語る

 大畑さんは「死」の受容プロセスを静かに描いた小説「ライオンのおやつ」(小川糸著)を紹介した。主人公に寄り添って、本の魅力が伝わるセリフを強調。会場全体に思いが伝わるように、学校の廊下の端から端まで届く大きさで発声練習をしたといい、「練習通りに紹介できた」と振り返った。昨年は決選投票で敗れたが、悲願の全国大会出場となった。大畑さんは「全国でも、今日のように自分で楽しいと思えるような発表をしたい」と意気込んだ。

 

 これで2024年度は、全国中学ビブリオバトル、全国高校ビブリオバトルとも、各地での予選大会が完了した。

(2024年12月29日 15:30)
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