ビブリオバトル長野大会...高校は冨田峻吾さん、中学は松田恵修さんV
中高生がお薦めの本の魅力を語る書評合戦「ビブリオバトル」の長野県大会(長野県大会実行委員会主催、読売新聞社など後援)が11月23日、塩尻市内で開かれ、高校部門で松本秀峰中等教育学校5年の冨田峻吾さん(17)、中学部門で塩尻市立広陵中学校3年の松田恵修(けいすけ)さん(14)が優勝した。2人は長野県代表として全国大会に出場する予定だ。
高校のチャンプ本は「三日間の幸福」
高校部門は11人、中学部門は7人が出場した。5分間で本の魅力を紹介し、審査委員と聴衆らの投票で一番読みたくなった本「チャンプ本」を決めた。
冨田さんが取り上げた「三日間の幸福」(三秋縋著、KADOKAWA)は、未来を悲観して30年分の寿命を30万円で売った主人公と、彼を見張る「監視員」の物語。主人公は、監視員が多額の借金を抱えていることに同情し、残りの人生をかけて返済に奔走する。冨田さんは、死期が迫る主人公のまなざしを介して「当たり前すぎて忘れてしまう、この世界の美しさが伝わってくる」と力説した。
中学のチャンプ本は「世界文学全集 罪と罰」
松田さんが選んだ書籍は「世界文学全集 罪と罰」(ドストエフスキー著、河出書房新社)。「天才には人を殺す権利があるか」を問うた、ロシアの文豪による長編だ。松田さんは「天才であっても、罪を犯した後の人間は弱くなる」とし、「『天才』という称号よりも、弱さを乗り越え、未来につなげる強さがほしい」と語った。
全国大会は高校が来年2月8日、東京都港区の「TAKANAWA GATEWAY CITY」で(JR東日本特別協力)、中学の全国大会は月日に東京・大手町のよみうり大手町ホールで行われる。冨田さんは「選ばれたからには、全力を尽くしたい」とし、松田君は「勝ちたい。その気持ちと同じくらい本の魅力が伝わってほしい」と意気込みを語った。



