全国高校ビブリオバトル代表、京都・静岡・新潟・青森で決定
京都...木原琉翔さん、チャンプ本は「カキフライが無いなら来なかった」
京都大会を制した木原さん
高校生がお薦めの本を紹介し、聴衆が読みたくなった本に投票する「全国高校ビブリオバトル」京都府大会(龍谷大学図書館主催、活字文化推進会議共催、読売新聞社など後援)が30日、伏見区の龍谷大深草キャンパスで開かれた。
府内9校の13人が出場。京都市立日吉ケ丘高(東山区)2年木原琉翔さん(16)が優勝し、来年1月28日に東京国際大池袋キャンパス(東京都豊島区)で開かれる全国大会に出場する。
木原さんは自由律俳句やエッセーをまとめた「カキフライが無いなら来なかった」(又吉直樹・せきしろ著、幻冬舎)を取り上げ、「人によって色々な解釈で読めるのが自由律俳句の魅力。この本が、モノクロだった日常に彩りを与えてくれた」と力説した。
優勝が決まると「面白さを伝えたいとの思いだけで来た。信じられない」と驚きつつ、「全国大会でもまっすぐに思いを届けたい」と意気込んだ。
静岡...真田響介さん、チャンプ本は「朝5時起きが習慣になる『5時間快眠法』」
紹介した本と静岡県大会の優勝トロフィーを手にする真田さん
高校生がお薦めの本の魅力を語り、最も読みたくなった一冊を聴衆が選ぶ「全国高校ビブリオバトル」の静岡県大会(県教育委員会主催、読売新聞社など後援)が24日、静岡市駿河区の常葉大静岡草薙キャンパスで開かれた。沼津市立沼津高3年の真田響介さん(17)が優勝し、来年1月28日に東京国際大学池袋キャンパス(東京都豊島区)で開催される決勝大会への出場権を手にした。
県大会には38人が参加し、予選を通過した8人が決勝で競い合った。
真田さんは「朝5時起きが習慣になる『5時間快眠法』」(坪田聡著、ダイヤモンド社)を紹介。歴史上の偉人は短時間の睡眠時間で済む「ショートスリーパー」が多いと説明し、「ショートスリーパーに誰でもなれる方法が書かれている」とアピール。効率の良い睡眠の大切さを訴えた。
「実用本を読んだことがない人にも魅力を伝えたい」と決勝大会への意欲を語った。
新潟...狩野陽南さん、チャンプ本は「エイリアンは黙らない」
新潟県大会で優勝した狩野さん
高校生がお薦めの本を紹介しあう「全国高校ビブリオバトル」(敬和学園大学図書館など主催、活字文化推進会議共催、読売新聞社後援)の新潟県予選が24日、新潟市中央区の市立中央図書館「ほんぽーと」で開かれ、敬和学園高3年の狩野陽南さん(17)が優勝した。狩野さんは来年開かれる決勝大会に出場する。
県内5校から7人が出場し、1人5分間で本の魅力を紹介。その後、16人の観覧者が、最も読みたくなった本に投票した。
狩野さんはチョーヒカルさんのエッセー集「エイリアンは黙らない」(晶文社)を紹介。「チョーさんが日常生活で抱いた様々な『当たり前』への苦悩と成長を描いた作品。この本を読み、違和感へのアンテナを高く持てるようになった」と身ぶり手ぶりを交えて話した。
狩野さんは優勝後、「このエッセーの良さを決勝大会でも多くの人に伝えたい」と力を込めた。決勝大会は来年1月28日に東京国際大学池袋キャンパス(東京都豊島区)で開催される。
青森...鹿糠青空さん、チャンプ本は「人間椅子」
青森県大会を制した鹿糠さん(中央)準Vの大町さん(右)3位の奈良さん
高校生がお薦めの本を紹介しあう書評合戦「全国高校ビブリオバトル青森県大会」(青森中央学院大・青森中央短大主催、読売新聞社など後援)が16日、青森市の青森中央学院大学図書館で開かれ、八戸聖ウルスラ学院高2年の鹿糠青空(かぬかそら)さん(16)が優勝した。
ビブリオバトルは、発表者がお気に入りの本の魅力を5分間で紹介する。観覧者と質疑応答した後、「どの本を最も読みたくなったか」を基準に観覧者が投票する。今大会は県内7校から12人が参加。3グループに分かれて予選を行い、3人が決勝に進んだ。
鹿糠さんが紹介したのは江戸川乱歩の「人間椅子」(角川書店)。椅子の中に潜む椅子職人が、座る女性の感触を楽しむ不気味な話を身振り手振りを交えて伝え、「椅子に対するみなさんの考え方が変わると思う」と訴えた。
準優勝は青森南高1年の大町はぐみさん(16)、3位は五所川原高1年の奈良栞奈(かんな)さん(15)だった。
鹿糠さんは、来年1月28日に東京国際大学(東京都豊島区)で開かれる決勝大会に出場する。