松浦穂乙香さん、富田修平さん、平野紗莉さんに優秀賞...全国中学ビブリオバトル
東京都千代田区のよみうり大手町ホールで3月22日に開かれた「第9回全国中学ビブリオバトル」(活字文化推進会議主催、読売新聞社主管)で、3人のバトラーが優秀賞に輝いた。
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埼玉県代表 松浦穂乙香さん、小説「二人一組になってください」を紹介

埼玉県代表の川口市立高校付属中3年、松浦穂乙香(ほとか)さんは「二人一組になってください」(木爾チレン著、双葉社)を紹介した。女子高で卒業式直前に始まったデスゲームから、人間関係やいじめがあぶりだされていく小説だ。
松浦さんは約400人の観客を前に、推理小説と本書の違いを目の前にあるドアに例えて説明した。推理小説は犯人や真相を見つけてドアを開けて本の中に入るようなものだとしたうえで、「この本は、ドアが透明でとっ手や鍵穴がない。だから中で連鎖する殺人をぼう然と眺めることしかできない。それは人の心に似ていませんか。相手から開けてもらわないと立ち入れない。人の心を具現化したような本です」とまとめた。
「決勝にいけて本当にうれしい。本の魅力を伝えたかったのでそれは十分できたと思う。中学最後の学校行事で良い思い出ができた」と喜んだ。
千葉 富田修平さん、小説「同志少女よ、敵を撃て」を語る

千葉日大一中から学校代表として出場した富田修平さん(3年)は小説「同志少女よ、敵を撃て」(逢坂冬馬著、早川書房)を紹介した。第2次世界大戦中、ドイツ軍に母親を殺されたロシア人少女が、復讐(ふくしゅう)のため狙撃兵となって戦場に赴く物語だ。
富田さんは、「戦争は、今まで遠い国の出来事だったが、この本を読んで一変した。戦場をリアルに描写しており、自分が戦場にいるような臨場感がある。戦争を自分事として考えられるようになった」と約400人の観客に熱く語った。
5分間の発表後の質疑応答では、「史実で戦争は学べる。なぜこの本なのか」との質問に、「本は感情移入して疑似体験できる。本を読む意味はそこにある」と小説の魅力を訴えた。
大阪府代表 平野紗莉さん、中編小説「め生える」紹介

大阪府代表の関西創価中3年、平野紗莉さん(15)は、2年連続の優秀賞となった。今大会で紹介した本は「め生える」(高瀬隼子著、U―NEXT)。髪の毛が全て抜け落ちる感染症が世界中で流行するという設定で、人々が自身の外見に対して抱きがちな劣等感の問題を扱った160ページほどの中編小説だ。
平野さんは「ルッキズム(外見で人を判断・差別する考え方)という言葉が使われている現代のリアルな小説。これを読めば、自分のコンプレックスが個性だと思えます」と、よく通る声とジェスチャーで思いを伝えた。
陸上部で400メートル走などの練習に励みつつ、2学期に選んだ一冊を「10回以上」も読み返して発表を練り上げた。昨年に続いて全国大会の決勝まで勝ち残ったことに「大舞台でしゃべる経験を積んで、学びにつながった」と感じている。
第9回全国中学ビブリオバトル
中学生たちがお気に入りの本を5分間で紹介し、聴衆が読みたくなった本に投票する書評合戦。大会には42人が出場した。午前中の予選では19人の学校代表が競い、4人が開会式後の準決勝に進出した。準決勝は、府県大会などの代表を合わせた27人が6組に分かれて争い、各組首位が決勝に進んだ。決勝では最多得票がグランドチャンプ本(優勝)、2位が準グランドチャンプ本(準優勝)に輝き、3位以下からゲスト特別賞が選ばれた。ほか3人の決勝進出者に優秀賞が贈られた。
※この事業は、一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)の共通目的基金の助成を受けて実施されました。




