電機メーカーなど177社が加盟する日本電機工業会(JEMA)が5月18日、東京家政大学で「理科教育セミナー」を開いた。
この日のセミナーは、教員養成課程の授業「理科教育法」で行われた。同大からは3年生52人、JEMAからは加盟企業のパナソニックや安川電機の技師ら13人が講師や実験補助として参加。電流や電圧、抵抗の関係がひとめでわかるように工夫されたオリジナルの実験道具を使って、学生たち自身が実験に挑戦、電気の基本的な性質や、暮らしの中でどのように活用されているかなどを学んだ。
「電気は苦手」と話していた学生たちも、実験を重ねる中で興味を覚えたようで、「テキストだけの学習より、体験のほうが断然面白い。いつか小学校でこんな授業をしてみたい」と斎藤優紀さん(20)は声を弾ませる。佐々木愛理さん(20)も「講師の皆さんが丁寧に教えてくれて、楽しく学べた」と喜んでいた。
同大の教員養成課程を担当する林四郎准教授(67)は、小学校校長を14年務めた大ベテラン。「現場でほしいのは、科学的思考力を持った教員。考えて試してまた考える思考回路を、こうした取り組みで身につけてほしい」と話していた。
「理科教育セミナー」は、小学校教員の理科教育を支援したいと同会が2008年から始めた取り組みで、今回で79回目。大学の教員養成課程や、教育委員会・学校の研修会などでセミナーを開いている。