田園調布学園×逗子開成高校が新たなビジネスモデルを探りコンテスト

どんなお笑い芸人を呼びたいかを問いかけると会場から色々な名前があがった

 田園調布学園高等部と逗子開成高校による「合同イノベーションコンテスト」が9月25日、東京都世田谷区の田園調布学園中等部・高等部で開かれた。テーマは「伝える」「コンビニに追加」のいずれかを選び、新たなビジネスモデルを提案する内容。一部上場企業を中心とした役員OBによって構成され学校で出前授業を行なっている「ディレクトフォース」のメンバー藤村峯一さん(72)が両校で「マーケティング」「キャリア教育」「仕事」に関する講座を開いている縁で催されることになった。

 


 この日は、田園調布学園の文化祭「なでしこ祭」が開かれており、多くの保護者らが学校を訪れる中、同校舎吹き抜けの「プラザ」で発表が行なわれた。参加したのは田園調布学園9人、逗子開成12人の高校2年生。さらに双方2班ずつに分かれ計4チームが発表した。初めに藤村さんが、「先のリオ五輪の柔道競技で日本勢が躍進したのは、監督が専門家を集めて相手や技を研究するなどしたためだと言われている。グローバル化を生きぬくためには、チームを作り、アイデアを出し合って創造すること。さらにプレゼンテーションの力も大切」とコンテストの趣旨を説明。その後、各チームが10~15分ほどで自分たちのアイデアを披露説明した。 

 

 田園調布Aグループは、「お笑い芸人出張サービス」を考え出した。出張ビジネスが流行っていることから「あなたに笑顔を届けます」とのキャッチフレーズでお笑い芸人を出張させるというもの。体が不自由で外出できない人、入院中の人へのお見舞い、誕生日や結婚式などを想定した。

 逗子開成1班は「今こそ新聞の復権を!」。誕生日や結婚式などのお祝いにSNSやメールなどを送っても若者にとっては当たり前でインパクトが無いといい、新聞にお祝いの記事などを記者が書いて掲載することで、何も知らずに朝刊を開いた時の驚きを強調したアイデア。データではなく形に残ることも利点と発表した。

 

タイムカプセル業について説明する発表者

 田園調布Bグループは「タイムカプセルサービス」。手紙、ビデオ、思い出の品を預かるサービス業。参加者から「近頃は世界で爆弾を使ったテロ騒ぎも多く、預かる業務としては対策を取っているのか」との質問に「もちろんエックス線検査を行なうようにします」などと答えていた。

 「コンビニに追加」のテーマについては逗子開成2班が「コンビニを観光ステーション化」のアイデアを出した。経済産業省の統計などを基に2020年の東京五輪を控えて外国人観光客が伸びていることからコンビニを観光ステーション化し、外国人のニーズが高い両替やレンタサイクルを設置。また、実際にコンビニの店長に聞き取りをした結果、人手の問題が多かったので、ロボット店員を導入するなどの対策を打ち出した。

 

 田園調布学園の西村弘子校長、逗子開成の三須浩幸教頭、ディレクトフォースのメンバーらで審査し、各班に優秀賞、アイデア賞、プレゼン賞、ユーモア賞の各賞が贈られた。

 田園調布学園Aグループの中島美由さんは「4月から準備してきたが最初は皆の意見が合わず大変だったが、良いプレゼンテーションができてよかった」は話した。逗子開成2班の山下泰輝さんは「こういうことを考えるのは新鮮だった。分かりやすいプレゼンテーションをするにはデータの裏づけが必要だと思ったので省庁のホームページなどでずいぶん調べた」と発表に満足そうだった。

(2016年10月 5日 17:47)
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