海外で学ぶ・リレーエッセー[55]米ウースター大学 手厚いサポートと支援のあるホーム

大学近くのジムで学友と(左が石川さん)=本人提供

東京学芸大学附属高卒、ウースター大学(米国)3年(執筆時)

石川 安夢 さん

Amu Ishikawa

「海外で学ぶ・リレーエッセー」は、英字新聞「The Japan News」での連載「Living and Learning」の終了に伴い、今回から日本語だけの掲載となります。

 大学での生活は、ジェットコースターみたいだ。「どうしてこんなに辛い思いをしなければいけないんだろう」と「なんて幸せな環境なんだ」の繰り返し。でも、アメリカの大学という自分の選択を後悔したことは一度もない。

 

 今年の夏から、ウースター大学での生活も3年目。哲学とコミュニケーション学のダブル専攻をしている。哲学は特に読書課題が多く、「次の授業までに読んできてね」と100ページ以上の本が渡されることも日常茶飯事だ。そんな生活を、辛いけど幸せだと言えるようになったのは、大学が掲げる「自立した心と、助け合い」というスローガンが実現されているからだろう。

 

 そのスローガンを最初に実感したのは、入学前に参加した1か月間の英語力育成プログラムだった。東京学芸大学附属高校という東京の高校を卒業した私。それ以前も幼稚園からずっと日本の学校に通っており、海外経験がほとんどない状態でアメリカの大学に飛び込んだ。そんな私が、1学期目からアメリカ人に混ざって授業で発言し、エッセーでAを取ることができたのは、その英語プログラムのおかげだ。

 

 留学生を対象にしたそのプログラムでは、論文の書き方やノートの取り方、時間管理の方法を一から教えてくれた。そして在校生が2人付き、生活面と学習面をサポートしてくれた。宿題も課されるし、前日までに習ったことを覚えていなければ少し怒られる。それでも、自分がなじんだ国を離れ、第2言語を使って生活しなければならない私たちの不安や苦労を、大学のスタッフや生徒は理解し、手を差し伸べてくれた。

大学のイベントで日本文化会(Japanese Culture Association)で日本食を作った(左端が石川さん)=本人提供

 「温かい雰囲気」という友達の紹介をそのまま信じ、ホームを求めて選んだ大学だったが、大学に足を踏み入れてたった一週間で、ここは私のホームになるという確信を持てた。

 

 2年間大学で過ごした今も、その感覚は変わらない。頑張りたいという気持ちがあれば、周りの人はそれを応援しサポートしてくれる。だからこそ思い切った一歩が踏み出せる。頑張ることは傷を負うことでもあるからこそ、傷を癒しに帰る場所があるというのは大切だ。大学生活もあと半分。自立のつよさと、助け合いのやさしさを持って次のホームへ旅立てるよう、成長していきたい。

ウースター大学

米オハイオ州クリーブランドの南約約100キロに位置するウースターにある、1866年創立のリベラル・アーツ・カレッジ。学生数は少数制で約2000人だが、各生徒に対するサポートが厚いことで知られている。

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海外留学を目指す高校生に進学支援を行っているNPO法人「留学フェローシップ」のメンバーが、海外のキャンパスライフをリレー連載します。留学フェローシップの詳細は>>ウェブサイトへ。

(2019年8月28日 10:00)
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