年賀状の書き方から日本文化を学ぶ(千葉県鴨川市立江見小学校)
季節の言葉を文章に織り込み、はがきや手紙で送り合う――。
こうした日本の生活習慣を学んでもらおうと、千葉県の鴨川市立江見小学校で11月上旬、年賀状の書き方についての特別授業が行われました。
(教育ネットワーク事務局 大広悠子)
あて名のバランスを取るには最初に相手の名前を
講師を務めたのは、近くの江見駅郵便局の若月功一局長と、東条郵便局の荒井洋一局長です。
はがきを大きく印刷した「見本」を使って、きれいにあて名を書くコツや、どんなことを書けばいいかを伝えました。
2人の郵便局長によると、あて名は最初に相手の名前を真ん中に書くとバランスが取りやすく、きれいに見えるそうです。
書き出しには「明けましておめでとうございます」など新年を祝う賀詞を書きます。「初春」「迎春」など季節を示す表現も多くあります。
文面には、お礼の言葉や目標を書くだけでなく、相手の健康などを願う言葉を入れるのがポイントです。
「年賀状は、大切な人に幸せを届ける、新年最初のプレゼントですよ。季節やお正月を感じることができるイラストを書くのもよいですね」と、若月局長は強調しました。
話を聞いた3年生19人は早速、年賀状作りに挑戦します。
「いつもご飯を作ってくれてありがとう」「また遊びにいこうね」などと、教えてもらった通り、相手を思いやる言葉を考えました。
松井悠真さんは「お母さんあてに内緒で年賀状を書きました。お正月に見たらきっと驚くと思う」とにっこり。井筒拓海さんは「ちゃんと届くかな。緊張する」とわくわくした気持ちを隠しきれない様子でした。
「年賀状は季節を感じられる日本の文化」
若月局長が集めた珍しい切手や、全国各地の郵便局がつくるオリジナルの風景印のコレクションも見せてもらいました。
「(地元を走る)特急わかしおの切手だ!」「(近くの)鴨川シーワールドの風景印だね」。児童の元気な歓声が教室に響きました。
山口真妃校長は「年賀状は季節を感じられる日本の文化。子どもたちが、手書きの文字で人とのやりとりを体験できるチャンスなので大切にしたい」と話しています。
江見小学校では毎年、年賀状を書く授業を行っているそうです。
日本郵便では、希望する学校に本物の「郵便はがき」や「テキスト」などを提供し、「手紙の書き方体験授業」を支援しています。
詳しくは日本郵便のサイト(https://www.schoolpost.jp/) をご覧ください。