「ジェンダー平等」テーマに出前授業

小中学生、イケア・ジャパンの取り組みに学ぶ

 読売新聞教育ネットワークが展開する「SDGs@スクール チャレンジ」では、趣旨に賛同した「パートナー企業」とも協力しながら、参加校を対象にSDGsの学びに役立つ出前授業なども展開していきます。2021年度は、「イケア・ジャパン株式会社 」の協力で、同社が力を入れる「ジェンダー平等」をテーマに全国の5校で出前授業を行いました。それぞれの授業の様子を紹介します。

 

 

東京都杉並区立八成小学校(2021年11月9日、6年生130人)

 同社人事部長(カントリー・ピープル&カルチャーマネジャー)の朝山玉枝さんと、スウェーデン出身で、IKEA原宿のスヴェッドルンド・ヨルゲン店長が、クイズを交えながら同社が進める「50/50(フィフティー・フィフティー)」の取り組みについて説明しました。「僕の妻も働いている。テレワークだけど、今とっても忙しい。だから僕は洗濯物の片付けなど、できることをやります」というヨルゲン店長の言葉に、児童たちも大きくうなずきました。井之上祐士先生は「いじめなどのテーマから人権を考えさせることもアプローチの一つだが、ジェンダー平等ともきちんと向き合いたいと思っていた。身近な企業の取り組みを知ることができてよかった」と振り返っていました。

 

神戸市立渚中学校(2021年11月10日、3年生120人)

 IKEA神戸の足立知巳店長が、学生時代に米国でアジア人として受けた差別や偏見について話しました。イケアに入社した後は、オーストラリアやタイの店舗で多様性や平等についての価値観を共有しながら働けていること、などを説明しました。「自分から手を挙げてやりたいことができる。成長したいなら手を挙げないと前に進めない」という足立店長の話に、進路選択を控えた生徒たちも興味津々です。原田大(はじめ)先生は「企業で働く人の生の声を、SDGsとも関連づけて聞くことができ、将来の選択肢が広がったと思う。これからも問題意識を持って行動してほしい」と生徒たちに期待を寄せていました。 

 

東京都板橋区立緑小学校(2021年11月29日、5年生69人)

 朝山人事部長とIKEA港北の菅野秀紀店長が授業を行いました。菅野店長は、中学生の時から家事をしていた経験から、今でも休日は自分で夕飯を作っていることを説明し、「できることを、できるように、できる人がやればいい」と話しました。同社が環境に配慮して、成長が早い竹を活用した商品に力を入れていることを聞き、小松拓野先生は、「学校の周囲にも竹林があり、環境教育にも力を入れている。子どもたちも身近に感じられたのではないか」と話していました。

 

 

東京都八王子市立緑が丘小学校(2022年1月18日、5年生63人)

 IKEA立川のリュウ・ナ店長が授業を行いました。八王子市が取り組む「省エネチャレンジ2021」で1位となったこともあって、子どもたちからは次々と質問の手が挙がります。「仕事の一つ一つが男女平等なんですか?」との質問に、リュウ店長は「体力など、男性と女性には違いがある。チャンスを平等に与えるということ」と答えました。平澤彬先生は、「子どもたちも大きな刺激を受けたと思う。これをスタートに、6年生としてSDGs活動をリードしていってもらいたい」と力を込めました。 

 

 

大阪府吹田市立山田第五小学校(2022年2月10日、5年生44人)

 感染状況悪化のため、オンラインで授業が行われました。授業を担当したIKEA鶴浜の小林重崇 店長は、「性別で決めつけてしまうと損をする。自分が自分らしくいられる、より良い社会を作っていってほしい」と訴えました。「平等をどうやって広げたんですか」との質問に対して、小林店長は「口で言うのは簡単だが、形にしていくには行動が伴う。みんなで思いを共通にして、その中でいろいろな意見が出てくるから良くなっていく」と答えました。山本彩子先生は、「大変な状況の中で、素晴らしい授業をして頂いた。とてもいい学びの機会になった」と振り返りました。

 

 

 

 イケア・ジャパンの取り組みはこちら

 

(2022年3月17日 14:33)
TOP