外来ザリガニ駆除に貢献 北海道美幌高校(読売新聞社賞)
海外のコンクール挑戦も視野
国連提唱の「持続可能な開発目標」(SDGs)への貢献を目指す高校生を応援する2020年の「第5回全国ユース環境活動発表大会」(環境省など主催、読売新聞社後援)で、読売新聞社賞に輝いたのは、北海道美幌町の美幌高校。同校環境改善班が取り組んだ、特定外来生物のウチダザリガニの駆除や利用のアイデアは審査員から高く評価された。
同班は同校の2、3年の生徒11人が所属。地元の網走川水系の生態系を脅かすウチダザリガニの対策を考えようと、2018年度に結成された。今回の発表では、〈1〉河川でのウチダザリガニの駆除と肥料化〈2〉魚介・昆虫類と水質の調査〈3〉ザリガニを試食する児童との交流会----など、日頃の多彩な活動内容を紹介した。付近の河川での調査は、水生昆虫の種類を精査。1日で数千匹のカワゲラなどを採取したが、ピンセットや顕微鏡を使って種類を分類する作業に約3か月も費やしたという。
受賞について2年班長の山本和馬さん(17)は「全国大会で『科学的な根拠をしっかり示しており、活動も多岐にわたっている』と評価され、うれしかった」と振り返る。同副班長の川端力(りき)さん(17)は「実家の農業を継ぐ考えだが、班での経験は将来に生きると思う」と話した。班員の2年長谷川ゆづきさん(17)は「賞が取れて良かった」と喜んだ。
今後の夢は、活動内容を世界レベルで発信すること。SNSの活用を始めるのに加え、指導する野口潤教諭(49)の監修で、海外の環境コンクールにも挑戦する。地元の美幌博物館の協力で、学術論文にまとめることも検討中だ。
(2020年2月16日 10:44)