民族楽器で森を守る 愛媛・上浮穴高(高校生選考賞)
地元原産のスギで作製 児童らに啓発
高校生の環境保全活動を表彰する2020年の「全国ユース環境活動発表大会」(環境省など主催、読売新聞社後援)で特別賞の高校生選考賞に輝いた、愛媛県立上浮穴高校(久万高原町)の「カホンプロジェクトチーム」。町内産のスギでペルーの民族楽器「カホン」を作るイベントを企画し、林業に興味を持ってもらおうという取り組みが高く評価された。
カホンとは、木でできた箱形の楽器。上に座り、側面の板を手でたたいて音を出す。音は板の上をたたくと「タンタン」、下の方は「ドンドン」。たたく強さでも変化する。地球温暖化を抑制する森林を管理し、森林面積が9割を占める町の特産の木材を活用する意義を知ってもらいたいと、同校森林環境科の有志が2014年度、プロジェクトチームを結成。今年度は1〜3年生6人が活動し、縦横各24センチ、高さ40センチのカホンを作る教室を小学校や商業施設などで開いた。世界と日本の森林面積や、木材の用途に関するクイズも出題して盛り上げた。カホンはこれまでの6年間で約1500個仕上げたという。
町などの補助事業で18、19年にドイツで研修したチーム代表の3年池田隆之助さん(18)と、1年山之内野々花さん(16)は、現地の森林は林道が広く、多くの人に親しまれていることを紹介。カホンでアニメの曲を演奏し、クイズを出した。顧問の秋本康富教諭(36)は「全国の高校生に響く発表ができた」と話す。2年吉田あいりさん(17)や1年猪野彪真(ひゅうま)さん(16)らは、来年度も活動を継続する。「今後もいろんなイベントに参加し、カホンや、森林の大切さをみなさんに伝えていきたい」と意気込んでいる。
(2020年3月24日 09:00)